国際情勢と経済戦略

世界一流の専門家たちの分析は・・英文情報で国際情勢・軍事と世界・日本経済の解説記事を紹介します。
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(9/11更新) 貿易戦争の激化が1929年の世界大恐慌を引き起こした

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Kremlin Pool/ZUMA Press/Newscom


米共和党系シンクタンクのヘリテージ財団のライリー・ウォルターズ氏の記事、 

The Worst Scenario For An Emerging Trade War With China(ヘリテージ財団 Aug 13th, 2018)
https://www.heritage.org/trade/commentary/the-worst-scenario-emerging-trade-war-china


ヘリテージ財団はトランプ政権に強い影響力を持っている。

ウォルターズ氏の結語、

For now, the combination of a slowing Chinese economy and a growing U.S. economy threatens to lead us into a real trade war.


上記の記事の最後にはWalters氏が書かれた今年4月の記事に、“lead us into a real trade war”としてリンクが張られている。

Trade Wars Have No Winners, Only Badly Damaged Survivors(Investors Business Daily 4/06/2018)
https://www.investors.com/politics/editorials/trade-wars-have-no-winners-only-badly-damaged-survivors/

この記事で重要なのは以下の部分。

But trade disputes and tariffs have a history of becoming nasty economic downturns. There is, of course, the Smoot-Hawley tariffs, which caused a massive contraction in global trade and output in the late 1920s and led to the Great Depression. More recently, in 1971, President Nixon devalued the dollar, imposed a 10% "surtax" on all imports, and the 1970s stagflation began.

The point is, trade wars are hardly ever beneficial. So maybe it's time for both countries to cool their rhetoric, step back, and return to talking. Before we add to the damage and end up with another global economic meltdown.


■ 注釈: Smoot-Hawley tariffs
スムート・ホーリー法
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E6%B3%95

スムート・ホーリー法(スムート・ホーリーほう、Smoot-Hawley Tariff Act)は、ホーリー・スムート法(Hawley-Smoot Tariff Act)の名でも知られ、アメリカが1930年6月17日に成立した関税に関する法律であり、20,000品目以上の輸入品に関するアメリカの関税を記録的な高さに引き上げた。多くの国は米国の商品に高い関税率をかけて報復し、アメリカの輸出入は半分以下に落ち込んだ。一部の経済学者と歴史家はこの関税法が大恐慌の深刻さを拡大した、あるいはそれ自体を引き起こしたと主張している[1][2][3]。


上記のウィキペディアの記事の注釈では、「一部の経済学者」としてミルトン・フリードマン(ノーベル経済学賞受賞)を挙げている。

ウォルターズ氏はフリードマンと同じ見解で、貿易戦争のエスカレートが1929年の世界大恐慌を引き起こしたと警告している。

トランプ政権に強い影響力を持つヘリテージ財団の論客ウォルターズ氏がそれを警告しているのだが、その警告はトランプ政権の中でどこまで考慮されるのだろうか。

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日本国債先物 ヘッジファンドは、いつ動き出すか?

ご無沙汰です。

元ジョージソロス氏アドバイザーの藤巻健史氏のHPから。
https://www.fujimaki-japan.com/takeshi/6227

藤巻健史氏は狼少年ではありません。

1.昨日の金融政策決定会合の決定に関して

日銀が昨日(7月31日)の金融政策決定会合で「長期金利の一定幅の動きを容認」した。これは「長期金利の上昇を容認した」ということ。これは容認というより、もう長期金利を抑えきれないとのgive up 宣言と私には思える。日銀がマイナス利廻りの国債を買わない限りマーケット参加者はマイナス利廻りの国債を買うモチベーションは無い(ただし短期金利がマイナスならば話は別)したがって爆買いしても△1%になる心配も△5%になる心配はない。いくら爆買いすればゼロ%で止まる。しかし+0.2%とか +0.5%への緻密な誘導は至難の業。+0.2%に誘導しようと思ったら+2%になってしまう可能性もある。どのくらい買うのを減らすとどのくらい金利が上がるかなどわかっていないのだから。

2.私がもしまだ市場にいたら国債売りを徹底的に仕掛ける

地域金融機関の経営悪化を遊猟していることが昨日の金融政策決定会合で明確になった。これで長期金利を更に下げるとの選択肢は無くなった。それならば、もし私がまだ市場にいたら国債先物を思いっきり売ったと思う。「成功すれば大儲け、失敗しても損は極小」の取引は1992年にジョージソロスが「英国中央銀国に買った男」と言われた時と同じ論理だ。日本人トレーダーがどう考えるのかは知らないが、私がこう考えるということは、海外のヘッジファンドのオーナーあたりで、同じようなアイディアを持つ人が出てくるのではないか?(一般論ではあるが)経験上、私と思考回路が似ている人が多いと思うので。

以下省略。
このあとも読んで見てください。


>>海外のヘッジファンドのオーナーあたりで、同じようなアイディアを持つ人が出てくるのではないか?

時間が許せば、この部分をできるだけサーチしたいと思います。


■■お薦め本
『財政破綻後 危機のシナリオ分析』 – 2018/4/19
https://www.amazon.co.jp/gp/product/453235773X/ref=oh_aui_detailpage_o03_s00?ie=UTF8&psc=1



「北方領土交渉」無残な結末

10-n-abeputin-a-20141019 The Japan Times


安倍政権の対ロシア交渉と政策・・・

プーチンにやられた[12・15]安倍「北方領土交渉」無残な結末 – 2016.12.5. 週刊現代http://wgen.kodansha.ne.jp/archives/37815/

[トランプとプーチンにナメられて……]安倍官邸大パニック[実況中継] – 2016.11.28. 週刊現代
http://wgen.kodansha.ne.jp/archives/37617/


安倍政権の対ロシア外交・・・馬鹿の底が知れない。

私はこの日ロ交渉を初めから冷めた目で見ていたが、ロシアとプーチンのやり方や本質をよく理解していれば、最初から期待の「き」の字もできなかったはずだ。

プーチンの巨視的な中長期的アジア・極東戦略、戦略の塊であるロシアの戦略家たちと、薄っぺらい安倍外交では相手にならない。プーチンの極東戦略(軍事的・経済的)に無知なこの交渉が失敗に終わるのは、自明なことだ。

ロシアを相手にこのような戦略思考が欠落した外交しかできないのは、米国に60年以上守られ続けてきた「平和ボケ」が、安倍首相とその政権内に深くしみついているからだろう。


アベノミクスも失敗した。いま、日本の経済を動かしているのはアベノミクスの亡霊だ。

私のブログの過去ログ倉庫には、ロシアを扱った記事が結構多いので、ロシアの戦略を考えるうえで参考になればと思います。

国際情勢と経済戦略(過去ログ倉庫 Yahoo!ブログ)
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735

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中国の長期SDR戦略とBRICS

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中国のSDR通貨バスケットについての長期戦略は、マスコミ報道とはだいぶ違うようです。

IMF(国際通貨基金)理事会は2015年11月に、人民元をSDRを構成する通貨のひとつにすることに決定しました。新しい通貨バスケットSDRは2016年10月1日から実施されます。その構成比は米ドルを41.7%、ユーロを30.9%、人民元を10.9%、日本円を8.3%、英ポンドを8.1%と定めます。これによりIMFは人民元を、日本円を抜く世界第3の通貨と認めたことになります。

中国の通貨世界戦略について、私はこれまで記事を書くことが何度かありましたが、次の記事ではSDRへの人民元の追加をめぐる、一般の受け取り方とは違う中国の戦略が露わになります。

中国人民銀行の副総裁である易綱氏はIMFに対して、SDR通貨に主要な新興経済国(BRICS=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の通貨を含めることを、2015年のSDR見直しで検討するべきであると主張していました。同時に易綱副総裁はIMFに対して、BRICSなどの通貨を含めた「影のSDR」(“a shadow SDR”)の研究をより深めて行うよう要請していました。

The deputy governor of the PBC (and also the head of SAFE), Yi Gang, urged the IMF to conduct more research into a shadow SDR and argued that “the IMF should consider including currencies of the BRICS [Brazil, Russia, India, China and South Africa—the world’s largest fast-growing emerging economies] countries and other emerging economies when it next reviews its SDR system by 2015.” But Yi was also quoted as saying that “China is in no hurry as the SDR has so far been only a symbolic currency basket.”80

CHINA’S EFFORTS TO EXPAND THE INTERNATIONAL USE OF THE RENMINBI (米中経済安保調査委員会 February 4, 2016 PDFファイル)
http://origin.www.uscc.gov/Research/china%E2%80%99s-efforts-expand-international-use-renminbi

この報告書『人民元の国際的な使用を拡大しようとする中国の取り組み』を書いたのは、ブルッキングス研究所の著名な中国経済の専門家エズワー・プラサド氏です。
プラサド氏は以前に、IMFの調査部門の金融研究部の責任者であり、その前はIMFの中国部門のトップでした。

上記の箇所には注釈が付けられており(80番)、この箇所と関連が深いロイターの記事が記載されていたので下記にそのリンクを記します。

China FX head proposes adding BRICS currencies to SDR –report (ロイター May 5, 2011)
http://af.reuters.com/article/currenciesNews/idAFL3E7G500820110505?pageNumber=2&virtualBrandChannel=0&sp=true

プラサド氏は、この報告書の中で人民元をSDRに含める決定がされた経緯を説明する際に、人民銀行の周小川総裁が2009年3月の論文で、SDRに「主要な新興経済国」の通貨を組み込むことを提言したことを書いています。

In March 2009, PBC Governor Zhou Xiaochuan issued a paper, “Reform the International Monetary System,” on the PBC’s website.75 The paper laid out the case for SDRs to play a more prominent role in global finance and suggested that the composition of the SDR needed to keep up with changing times by incorporating the currencies of the major emerging market economies.

易綱副総裁がIMFに対して、BRICSなどの通貨を含めた「影のSDR」(“a shadow SDR”)の研究を始めるよう要求したと、上記のロイター記事が伝えたのは2011年5月ですから、これは周総裁の論文発表の2年後になります。

世界経済をみるとBRICSは全体的に景気沈滞がひどいですが、ブラサド氏はこのロイター記事での易綱副総裁の次の言葉(2011年5月)を引用しています。

「SDRは今までのところ、象徴的な通貨バスケットでしかないので、中国は(『影のSDR構想』について)急がないで辛抱強く(ゆっくり構えて)行動していく。」

Yi, whose comments appear to elaborate on Zhou's initial proposal, said that China is patient.
"China is in no hurry as the SDR has so far been only a symbolic currency basket," Yi was quoted as saying.


SDR(特別引出権)は、IMFの加盟国の準備資産を補完する手段として、IMFが創設した国際準備資産です。仮想の準備通貨とも言えます。

私は、2014年8月に中国のゴールドの大量保有とSDR計画を結びつけて、「BRICS主導下のSDR構想」として考察しましたが(下記リンク記事)、中国は米国主導のIMF体制に単純に取り込まれているわけでは決してないことが、プラサド氏の報告書やロイターの記事からわかります。そして、中国が米国主導の通貨体制に対抗する通貨体制を長期的に構想している事が窺い知れます。

【後編】 中国のSDR戦略はドル・システムを衰退させるか−ゴールドを含むポスト・ドル支配体制− ( 拙稿 2014/08/28)
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38999017.html


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後編 プーチンは地中海を支配しNATOを分裂させようと目論む

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プーチンはオバマに地中海での戦略地政学的な敗北を受け入れさせて、アサド政権存続の条件を呑ませようとする


前回の続きです:
プーチンは地中海を支配しNATOを分裂させようと目論む(前編)
前回:http://domoto-world.com/archives/1806837.html


このような海空域でのロシアの活動は、NATO同盟にとって「テロとの戦争」でも問題となるだろう。NATOは北アフリカ沿岸と中東の至る所のテロリストの標的を、地中海を拠点とした軍艦、潜水艦、戦闘機から攻撃する能力に長く頼ってきた。

我々は1991年以来(訳注-1991年 ソビエト連邦解体)、地中海での海空での戦闘について心配する必要がなくてやってきた。しかし、いま、そのそれを心配する必要が出てきた。

アメリカ軍はすでに(世界の安全保障に)過剰関与し予算縮小に直面しているので、地中海での軍備が必要であることはもっと多くの軍艦や軍用機を買うか、ほかの戦域を削ることを意味する。ほかの戦域とはペルシャ湾や西太平洋のことだ。アメリカ軍にはもう地中海での軍備に割くべきキャパシティーがない。

このようなプーチンの地中海での覇権獲得への戦略は、NATOに圧力をかけると同時におそらく<NATOを分裂させる>ことさえ狙っている。

プーチンはオバマ大統領と共和党の大統領候補者ドナルド・トランプにさえ、この戦略地政学的な敗北を受け入れるよう説得している。

He has persuaded President Obama and even a Republican presidential candidate, Donald Trump, to accept this geostrategic setback.

それは実に優れた戦略である。私たちはこの重大な危機的状況で、プーチンのこの手段について考え続けている。

(抄訳終了)
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やはり、プーチンの中東戦略は、明らかにNATOの分断と弱体化を主目的の一つとして狙ったものであることが、ケーガン氏の分析からもわかります。

私が読んだものの中でもロシアの世界戦略を明確に述べたものとして、国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記(書記局トップ)の次のような言葉があります。

「欧州を米国の支配から切り離すために、大西洋をはさんだ米欧の協力関係を弱体化させる」

Preparing for War Against the US on All Fronts—A Net Assessment of Russia’s Defense and Foreign Policy Since the Start of 2014
(10/16-2014 ジェームズタウン財団)
http://www.jamestown.org/regions/russia/single/?tx_ttnews%5Btt_news%5D=42962&tx_ttnews%5BbackPid%5D=653&cHash=f45956f6e83db53aebfcbd29c406b25f#.VENN7PmsUxM

ロシアの戦略概観―パトルシェフ書記の見解―( 拙稿2014/10/23)
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/39089075.html

ケーガン氏が述べるように、NATOは「テロとの戦争」では地中海を拠点として攻撃する態勢となっています。その地中海はロシアの支配が強化されており、そのことはNATO同盟にとって「テロとの戦争」で障害となってきます。米国やNATOの兵力が手薄の地中海への軍事派遣は、米国全体での部隊の不足と軍事予算の関係から困難です。

(その点では、西太平洋の戦域で中国が米軍を手こずらせていますが、これは地中海でのロシアと南シナ海での中国の連携プレーでしょう。)

米国とNATOの地中海への軍事派遣ができなければ、2015年11月のパリ同時多発テロの後に、フランスとロシアが見せたような二国間協力の気運の高まりが、ISのテロ事件が起きるNATO諸国間に広がり、ロシアとの関係強化による<NATO諸国の分裂>が起きることが考えられます。3月22日にはベルギーの首都ブリュッセルで連続テロ事件が起きました。

下記は、2015年11月のパリ同時多発テロの後の報道です。

フランスのオランド大統領は来週、米ロの首脳とそれぞれ会談し、過激組織「イスラム国(IS)」を掃討するための「大同盟」を求める見通しだ。

フランス、ISとの戦いで米ロと共闘望む アサド氏処遇で亀裂 (2015/11/18 ウォールストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/articles/SB10589961604557044643904581362373335814968

(プーチンがフランスのオランド大統領と並んで「フランスとロシアの同盟」を嬉しそうに口にするのをテレビで見て覚えていますが、彼の頭には常にNATOを分裂させる目的があります。しかし、このたくらみはNATO加盟国のトルコがロシア戦闘機を撃墜したことでいったんぶち壊しになり、プーチンは怒り心頭に発したとのことです。)

NATOが抱える「テロとの戦争」で、地中海という戦略的エリアを支配しつつあるロシアの存在感と発言力が増せば、シリア問題の最大の焦点ともいえるアサド政権の処遇で、<アサド存続のゴール>へもっていくことができます。
このような戦略地政学的な今の状況が、断続的に続いているシリア和平協議でのロシアによる強力な戦略的圧力となっています。

プーチンは非公式に、「オバマ大統領と大統領候補ドナルド・トランプにさえ、この戦略地政学的な敗北を受け入れるよう説得している」とケーガン氏は言っていますが、この戦略地政学的な敗北を受け入れて、アサド政権存続の条件を呑めということでしょう。


■関連記事:
ロシアのシリア撤退はカモフラージュ(AEI)( 拙稿 2016/03/22)
http://domoto-world.com/archives/1805920.html

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