経済戦略と国際情勢

救国済民。来るべきこの国の大量経済難民を、どう救うか

『米ロ資源冷戦』―中央アジア、コーカサスでは、ロシアが優勢―

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(阿修羅「戦争」BBS.9月9日の投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara4/msg/138.html


◆最初に上の地図とは別に、下記地図リンクのアドレスをクリックし、カスピ海あたりを中心として125%位の倍率にしてもらえたら、以下の記事が理解しやすいかと思う。
 http://www.lib.utexas.edu/maps/world_maps/world_physical_2007.pdf


トルコのギュル大統領は9月6日、同国大統領として初めて隣国のアルメニアを訪問し、サルキシャン大統領と会談した。米ロの新たな冷戦の舞台になりつつある南コーカサス地方の安定化のため、南コーカサス3国にロシア、トルコを加えた5か国協議体の必要性を強調したという。(9月6日 読売)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080906-00000054-yom-int

トルコは最近、エネルギー資源獲得のため、コーカサス地方との関係強化に積極的だ。

「カスピ海と地中海を結ぶ欧米主導の石油パイプラインは、アルメニアを迂回してグルジア経由でトルコに向かっているが、ロシアとグルジアの軍事衝突を受け、アルメニアがグルジアに代わるルートになりうる、との見方も出ている。」(9月7日 毎日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000057-mai-int

南コーカサス3国とは、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアの事だが、トルコはイランとの天然ガスなどにおけるエネルギー協力を推し進めながら(未調印)、アメリカと「ロシア・イラン連合」との間で要領よくやっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080815-00000739-reu-int

グルジアでのロシア軍の長期駐留により、親米アゼルバイジャンがロシアの勢力圏に落ちれば、アルメニアは親ロシアだから、南コーカサス全域がロシアの勢力圏となる。

「グルジア侵攻によるアゼルバイジャンの攻略」(8月24日)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/734.html

一方、ロシアの裏庭=CIS関係諸国の中で、南コーカサスよりも石油・天然ガス埋蔵量の多い中央アジアのカスピ海沿岸国家[ カザフスタン、トルクメニスタン ]については、露米中の三つ巴と言われている。しかし、アメリカが計画する中央アジアからアラビア海へのアフガン経由のパイプラインは、パキスタンへの通過途中で、アフガニスタンのタリバンとアルカイダに遮断されてしまう可能性が現時点では高い。

9月6日のアジア・タイムズは、マケインが大統領に就任する1月中旬には、アフガニスタンでタリバン政権が復活しているだろうとの予測をしている(オバマの場合は、アメリカは万事休す)。
http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/JI06Df02.html

中央アジアから石油とガスを運び出すために、ブッシュ政権以前に米石油メジャーが構想していたイラン経由のパイプラインは、マケイン政権が次期政権になったとしても、今では非現実的なものになっている。
http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=341&range=1

中東地域とは別に、ロシアの裏庭である中央アジアとコーカサスでの石油・ガス覇権戦争では、アメリカは現時点で劣勢であるし、これからも劣勢であるだろう。

グルジア侵攻によるアゼルバイジャンの攻略

(阿修羅「戦争」BBS.8月24日の投稿へ加筆したもの)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/734.html


「グルジア紛争 石油輸送マヒ続く アゼルバイジャンに圧力」(8月22日 日経)
 http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20080822D2M2203C22.html

「ロシアは紛争を利用し、親欧米志向を強めてエネルギー輸出をグルジア経由に切り替えてきたアゼルバイジャンを勢力圏に取り戻す狙いだ。」

日経のこの指摘はもっともだ。

◆CIS関係諸国の話は地図を睨まないと理解しづらいので、下記地図のアドレスをクリックして開いてみてほしい。
 http://www.lib.utexas.edu/maps/commonwealth/caspian_pipelines_2002.pdf

「アゼルバイジャンはカスピ海周辺の石油・天然ガスパイプライン争奪戦でカギを握っている。アゼルバイジャンの石油に関しては、バクーからチェチェン、ロシア経由で黒海のノボロシスク港に出す北ルート、グルジア経由で黒海のスプサ港に出す西ルート、グルジアのトビリシ経由でトルコの地中海ジェイハン港に出す南ルート(BTCパイプライン)がある。」(袴田茂樹氏)

ロシアのグルジア侵攻の一つは石油目的なのだから、グルジア侵攻直後から言われているウクライナ侵攻よりも、バクー油田、カスピ海の油田を有するアゼルバイジャン攻略の方が効率がいい。

現在、黒海への輸送ルートは、ロシア軍の一部が24日時点もグルジア領内の港湾都市ポチなどに留まっていて遮断されている。

最新の詳しいニュースが入手しづらいが、8月14日には米英石油メジャーBP社がトリビシからトルコへ経由するBTCパイプラインの輸送を再開させたとの発表をした。しかし、グルジア領内の黒海沿岸まで伸びるバクー・スプサ・パイプラインの原油輸送は停止したままだ。

ロイター 8月14日
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-33263420080814

これに先立って、ロシアのトランスネフチ社は、アゼルバイジャン国営石油公社の求めにより、同社はバクー-ノボロシースク間のアゼルバイジャン産石油輸送量を月量16万6000トンまで増加させるとの情報が8月12日付けである。現在の月間輸送量は8万3000トンであり、これで輸送量は倍増する。

IBTimes 8月12日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080812/22126.html

この記事を額面どおりに受け取れば、グルジア軍が南オセチア自治州に侵攻したのが8月7日だから、米国重視と言われるアゼルバイジャンの判断は速い。

ロシアのアゼルバイジャンに対する働きかけは当然のところ以前からあり、ロシアの国営石油企業「ガスプロム」のミレルCEOが率いる代表団は6月、アゼルバイジャンを訪問、同氏は親米で知られるアリエフ大統領と会談を行い、石油・ガス産業における同社とアゼルバイジャン企業の協力関係についてセールス活動を行っている。

IBTimes 2008年6月3日
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080603/20197.html


◆結論

ロシア軍はグルジア侵攻を経て、グルジアに長期駐留する事により、石油産出国アゼルバイジャンをもその勢力下に置く事になる。
現時点での政府コメントは控えているが、メドベージェフ政権は、ロシア軍のグルジア領駐留の長期化を非難される初期の段階で、アメリカ軍のイラク長期駐留派兵を引き合いに出し、自らの正当性を主張するだろう。

レベルを落とした話になるが、共産党一党独裁の中国、独裁ロシアを5大常任理事国とする国連は、この2カ国の「拒否権」が20世紀後半の間悪用され続け、21世紀に引き継がれた、国際政治最大のジョークになっている。


関連リンク:

ロシアのグルジア侵攻は、なぜこの8月に行われたのか―12月のNATO外相会議―
http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/691.html

ロシアのグルジア侵攻は、なぜこの8月に行われたのか―12月のNATO外相会議―

(阿修羅「戦争」BBS.8月20日の投稿から)


今年4月にグルジア、ウクライナのNATOへの加盟問題が話し合われた。ロシアからの天然ガスの供給を懸念する独仏などが、時期尚早などと反対したが「将来の加盟」では合意、12月のNATO外相会議で再度検討される予定になっていた。

グルジアが先制攻撃で仕掛けたというが、今月8月以前のニュースを追ってみると、南オセチアに駐留していたロシア軍は、かなりの挑発行動をこの数ヶ月とっている。
英エコノミスト誌の解説記事では、そこら辺を詳細に触れているそうだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/171279/

グルジア軍侵攻後のロシア軍のあの起動力は、まさに常に臨戦態勢が取られていた上での行動だったと察せられる。

シェワルナゼは、「4月にグルジアとウクライナのNATO加盟を見送ったのは重大な誤り。加盟を認めていれば今回の紛争は避けられた可能性がある」と指摘し、ライス米長官は、ロシアのグルジア侵攻の戦略目的は、グルジアのNATO加盟阻止であり、グルジアの社会基盤や軍事力を破壊することにある事を指摘した。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/170692/
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080819/amr0808192323005-n1.htm
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/171051

8月12日に日経が、グルジアの欧州連合(EU)大使が「ロシアはNATO(東方)拡大の阻止を最終的な目標としている」と強調した事を取り上げ、今回の軍事衝突の底流にNATOの東方拡大問題があるとの見方を取り上げている。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080812AT2M1200512082008.html

残り任期4ヶ月、米大統領選挙まで2ヶ月余りのブッシュ政権は、オバマか、マケインかが決まらぬうちに、軍事リスクを伴う軍事行動は組みにくい。
加えて、再度協議されるグルジアの加盟問題を扱う12月のNATO外相会議まであと3ヶ月、ロシアの軍事侵攻は、グルジアの加盟阻止へ向けて絶好のタイミングで行われたと見られる。

シェワルナゼが指摘するように、4月にNATOがグルジアとウクライナの加盟を認めていれば、今回の8月のロシアの軍事行動はNATOとの「自動的開戦」を招くため、NATOの抑止力が働いてロシアの行動を阻止できただろう。

「原油高騰」で共謀した、ブッシュ政権とゴールドマン・サックス

(以下は、阿修羅.「国家破産」BBS.8月4日の投稿に加筆したもの)
 http://www.asyura2.com/08/hasan57/msg/709.html


国際情勢アナリストの浜田和幸氏が7月31日の公開記事で、ブッシュ政権開始以来の原油高騰の真犯人は、意図的に「中東の不安定化」政策を実行した同政権であると述べている。
http://moneyzine.jp/article/detail/79216

この仮説自体は目新しいものではないが、浜田氏は、メディアではヘッジファンドなどの投機が原油高騰の主要因とされているが、ブッシュ政権はヘッジファンドを悪役に仕立て上げる事に(見事に)成功していると述べている。

浜田氏は、「イランに対する経済制裁が解除されイラクにおける治安が完全に回復すれば、その時点で日産500万バレルの原油が国際市場に出回るようになり、原油価格は安定化に向かうことは間違いないだろう」と述べている。
この日産500万バレルは、現時点でのイラクの不安定な情勢とイランへの経済制裁下での数字で、アメリカの中東政策の変更により「中東の安定状態」が生まれれば、イラクとイランの市場への原油供給量は、何倍にも跳ね上がるだろう。

「私は、アメリカ軍のイラク占領後、テロ・ゲリラ戦が拡大し始めた早い時期(開戦前のアメリカの石油企業が目論んでいた青写真の計算違いが判明した時点で)、ホワイトハウスは、イラク情勢の混乱やイランの核開発問題を利用して、中東の中心に位置するイラクの混乱を長期化させるように、計画を切り替えたのではないかと見ている。
 アメリカの軍産複合体の圧力が、ベトナム戦争の長期化を要求したように、アメリカの『石油大統領』は、イラク情勢混乱を長期化する計画によって、原油価格を高騰させ、石油企業の要請に応えているのではないかと見ている。イラク戦争の目的は、あくまでも『石油』だ。」

(「原油高騰と『イラク情勢混乱計画』―中東の混乱の長期化を狙うアメリカ―」 2004年10月 
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/iraq.2.html

ところが、「中東の安定状態」などは、石油メジャーにとって愚策極まりないものだ。
ブッシュ政権の終りになり、次期アメリカ大統領選挙が近づくにつれ、イラクでの治安は(タイムリーに)改善し始める。

一方で、アメリカの石油メジャーの支配が強いとされる軍事産業は、この夏イラクにミサイルと戦車、C130輸送機などの軍用装備品を、合計107億ドル(約1兆1500億円)で売却する商談が決まり、ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンなどにボーナスがおりている。(日経 8月3日)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080803AT2M0201N03082008.html

米ゴールドマン・サックスが、投機筋による原油高騰の仕掛け人であるという見方があるが、アメリカ政界との結びつきが深いゴールドマン・サックスが、原油高騰という目的を課せられたブッシュ政権と共謀としたとすれば、これだけの歴史的な原油高騰を現出したという点で、まさに芸術的な仕業だ。
下記に、投機筋による原油高騰は、ゴールドマン・サックスによる計画的なものであるとする記事2つを挙げる。

石油高騰の謎 (’08年5月14日)
http://tanakanews.com/080514oil.htm

原油価格高騰の謎を解く【中編】 (’08年7月18日)
http://keyboo.at.webry.info/200807/article_4.html

世界における基軸通貨の最も重要な基礎条件とは、「軍事力」「エネルギー支配力」「食糧支配力」「通貨がどこでも使えるか」の4つだとされるが、アメリカの経済謀略で、大幅なドル安を招く原油高騰を実行しても、ドルの基軸通貨の地位は堅持されるという読みの根拠として、ユーロに基軸通貨としての「基礎条件」が全くない事が挙げられる。

更に、アメリカ最大の切り札として、21世紀最大の戦略物資である食糧の供給体制を独占しているという事実は、来たるべきBEF時代(バイオ・石油・食糧)におけるアメリカの一人勝ちを物語る。軍事力の増強を図る人口13億の、食糧輸入国の中国など、アメリカの食糧戦略いかんによって、国内を分裂させるも政権を温存させるも、アメリカの手中にある。

「21世紀を支配する穀物メジャー『カーギル』 ―アメリカの最大の切り札―」(2008年8月3日)
http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=360&range=1



■関連リンク

「ゴールドマン・サックスは、アメリカ経済支配層の政治的目的と共謀して、サブプライム危機を計画実行したのではないか」(2008年3月17日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/685.html

「中国株の大暴落で中国共産党政権は転覆されるか―『有事に強いドル』は有事を計画的・意図的に作り上げる―」(2008年3月14日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/658.html

原油下落と 『ドル』 上昇のシュミレーション(2008年3月22日)
 http://www.asyura2.com/08/hasan55/msg/807.html

21世紀を支配する穀物メジャー「カーギル」 ―アメリカ最大の切り札―

(阿修羅「国家破産」BBS.8月1日投稿から)


石油市場においては、サウジのアラコム、ロシアのガスプロム、中国のCNPCなどの「新セブンシスターズ」国有企業7社の台頭で、現在、かつての米欧4大石油メジャーは、世界の石油・ガス生産量の約10%と埋蔵量の3%しか所有していない。
「新セブンシスターズ」は、世界の石油・ガス生産量のほぼ3分の1、それに石油・ガス埋蔵量の3分の1以上を占めている。(ファイナンシャル・タイムズ紙 '07年3月11日)

しかしBP、ロイヤル・ダッチ・シェル、シェブロンなどの石油メジャーは、BEF時代(バイオ・石油・食糧)を睨み、穀物メジャーと連携し、出資するなどの動きを見せ始めた。(『SAPIO』 '08年6月25日号)

世界の穀物メジャーは、現在2大寡占となっているそうだが、一方のアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)に大きな差をつける世界最大の穀物メジャー、「カーギル」については、今後日本でも、ネットなどのパワーで考究すべきだ。

「カーギル」の世界における食糧の需要・供給両面での強大な支配力は絶大だ。
既に1960年代以降、食生活を肉食化された日本を一例として、世界人口の40%を占める中国とインドの肉食化、更に新興国の肉食化を計る「カーギル」は、現在の食糧価格の高騰こそ事業目的としている。

以下の引用抜粋記事は、カーギルに関するほんの一端だが、概略を述べている。

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世界の穀物市場を支配する
穀物メジャー『カーギル』の謎

        7月24日 R25.jp

http://r25.jp/magazine/ranking_review/10005000/1112008072404.html


現在の原油高と並んで世界的な問題となっているのが穀物高だ。だが、その一方で莫大な収益を得ている業界がある。世界の穀物市場に影響力を持つ専門商社・穀物メジャーだ。なかでもダントツの規模で知られるのが、アメリカの『カーギル』。アメリカでは口に入るもののほとんどに同社が関わっており、日本の食にもその影響は大きい。カーギルとは、一体どんな会社なのか?一橋総合研究所食糧部会部会長、茅野信行氏に取材してみた。

「世界最大の穀物生産国がアメリカ。そのアメリカの農家から穀物を買い付け、穀物を必要としている世界中の国々に届けているのが穀物メジャーの雄・カーギルです。穀物商社は規模が大きいほど流通の合理化ができる業種。カーギルは1865年創業という古い会社ですから、長い年月にわたって、合理化を徹底的に推し進めた結果、今日では、世界の穀物シェアの4割を握るほどの巨大な企業です」

カーギルは66カ国に15万人以上の従業員を持ち、年間売上高は9兆円にも上る。アメリカでは政治的影響力も強く、カーギル出身者が歴代政権の高官を務めていた。また、カーギルは自前で人工衛星を打ち上げ、穀物生産地の情報収集をしていることでも知られている。にもかかわらず、いまだ株式非公開の家族経営を行っており、実態はあまり公開されていない。そのためか、最近の穀物価格高騰はカーギルの思惑も絡んでいるのではないかといった噂もあるが…。

<以下省略>

オバマの得票マシーンとなっている共和党のライス外交

ジョン・ボルトン(保守強硬派)の話によれば、ブッシュから大幅に外交と軍事問題を一任されたライスは、米国務省官僚に取り込まれてしまったという。

独裁者でも口説き落とせると信じる、救いがたい理想主義者
念ずれば世界の危機は去ると信じている、「夢見るリベラリスト」

                   (ニューズウィーク日本版 7月30日号)

アメリカ保守派のコラムニストやブロガーは、オバマをこのように揶揄しているようだが、軍師不在となってしまったブッシュ政権は、ライスに外交を一任する事で、皮肉にもライバル民主党の候補オバマの支持率上昇を、根底から支援する形になっている。

共和党マケイン候補の出番は、世界の不安定化によりアメリカが損害を被る事がイメージされる状況により成り立つ。

しかし、同じ共和党の落ちぶれ政権で外交を一任されてやっているライスは、北朝鮮に続いてイランでも融和政策を始めた。

イランの核開発問題 米の妥協外交、「悪の枢軸」に足元見られる(7月22日 産経新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080722-00000970-san-int

仮にアメリカ国務省(リベラル)のエリートが、ライスが作る国際情勢の融和イメージを、マケイン落としの有効な手段として計画的に使っている場合、無知な大衆扇動者オバマは、かなりの高い確率で次期アメリカ大統領に就任する事になると思う。

イランの報復戦争とイスラモファシズムの現代

(阿修羅「戦争」BBS.6月22日の投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/219.html


クリスチャン・サイエンスモニターは、6月20日付けスコット・ピーターソン氏の記事で、6月に入り懸念されているイスラエルによるイランの核施設空爆を踏まえ、仮にイスラエルではなく、アメリカがその空爆・攻撃を行った際の最悪の予測記事を載せ、警告をしている。

How Iran would retaliate if it comes to war
http://www.csmonitor.com/2008/0620/p07s04-wome.html

イランの報復と題するこの予測記事は、(イスラエルではなく)アメリカがイラン攻撃を行った場合、IRGC(イスラム革命防衛隊)を含む中東地域では最大規模の54万の兵士を持つイランが、イラン過激派を更に含めて、「報復戦争」として非対称戦(=テロ戦争)を世界規模で展開するという要旨を述べている。

ピーターソン氏は、軍事アナリストが、アメリカによるイラン攻撃がアメリカを始めとする全世界にとって、危険な結果を招くという見方をしている事を最初に述べた上で、スウェーデン国防大学(ストックホルム)の非対称戦・研究センターのマグナス・ランストープ氏の分析を挙げている。ランストープ氏によれば、イランの反応とその報復攻撃は、過去のイランの事例から見て世界規模になり、アルカイダの脅威の予測を超えるものなるという。

また、ワシントンの中東問題のアナリスト、Alex Vatanka氏は、昨年秋に任命されたIRGC(イスラム革命防衛隊)の司令官は非対称戦の天才である事を指摘した上で、イラン自身は、第1ラウンドの陸海空軍の通常戦争でアメリカに勝てるとは考えておらず、”other assets in the toolbox”=別の戦争手段(非対称戦・テロ戦争)で、第2ラウンドの戦争を戦うつもりだという。

この記事によれば、イランの最高指導者ハネメイは2006年に、アメリカがイラン攻撃を行った場合には、世界中の広範囲に及ぶアメリカ人に危害が及ぶ事を警告している。
ヒズボラと連携するイランの非対称・テロ戦がいかに強力なものかを、私達はイラク戦争を通じて、中東情勢やアフガニスタンで見てきている。

イスラエルが核施設空爆に動けば、石油埋蔵地帯である周辺中東諸国を巻き込んだ、中東の大混乱状態が勃発するから、アメリカはアメリカ軍を現在以上の規模で派遣し、イスラエルと行動を共にする事になるだろう。

アメリカ保守系論壇の重鎮である、ノーマン・ポドレツ(Norman Podhoretz)が『SAPIO』2007年7月11日号への寄稿で、「9.11で幕を開けた第3次世界大戦の敵の正体は、イスラモファシズムだ」と題する記事を載せている。
彼によると、「イスラモファシズム」とは、21世紀初頭に現れた、イスラム原理主義とファシズムが結びついた暴力的運動を意味し、具体的には、アルカイダ、ハマス、イランのアフマディネジャド政権を指す。

ポドレツ氏は、将来的にサウジアラビア、シリア、エジプトも敵となりうる可能性があるとし、自由主義社会はイスラモファシズムとの戦争に30年から40年を必要とするだろうと述べている。
ここでのキーポイントの一つは、共産党独裁国家、中国が、アフリカ地域をも含めたイスラモファシズム圏の独裁国家を、兵器輸出と核兵器開発、経済協力などの面で支援しているという事だ。

中国、イランやテロ組織に兵器輸出 米政府高官、議会公聴会で証言(5月21日 「イザ!」)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/146773/


参考文献:
The Case for Bombing Iran(June 14, 2007 Norman Podhoretz)
http://www.hudson.org/index.cfm?fuseaction=publication_details&id=4963

ライスと米国務省の「ゼリコー構想」―テロ支援国家指定解除と「朝鮮半島統一」―

(阿修羅.戦争BBS.7月11日投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/379.html


「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」

   中央日報 2007年10月6日
   http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500

(コメント)コンドリーザ・ライスは、朝鮮半島情勢について「アジア版ヤルタ会談」の発想を胸中に暖めていたというから、意外だった。ライスは、在野時代から旧ソ連や東欧に関する造詣が深かったというから、冷戦終結的なシナリオを立てているのだろう。

それと呼応するが、朝鮮戦争休戦以来(1953年以来)、歴代のアメリカ政府には「朝鮮半島統一」の構想や政策が多く見られる。

2007年8月15日発行の「統一日報」の特集記事、「ブッシュ政権の政策転換」にも、ライスが抱く「ゼリコー構想」の経緯が述べられている。

「ブッシュ政権の政策転換」  真田一輝
 http://www.onekoreanews.net/past/2007/200708/news-tokusyu02_070815.cfm

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「韓半島‘終戦宣言’デザイナー、フィリップ・ゼリコー氏」

   中央日報 2007年10月6日
   http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=91726&servcode=500§code=500


2007年10月4日の南北首脳宣言では「韓半島終戦宣言」がハイライトだ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)国防委員長、ブッシュ米大統領が会って地球上最後の冷戦地帯の終焉を知らせるイベントを推進するという内容だ。終戦宣言はブッシュ大統領が提案し、盧大統領が伝え、金委員長が受け入れる流れで推進されている。

東アジアの安保秩序を根本的に変える終戦宣言のデザイナーはフィリップ・ゼリコー前米国務省顧問だ。 ロースクール出身の弁護士であり政治学博士でもあるゼリコー氏は法廷ではなく外交の道を選択した。

国務省に勤務していた昨年春、いわゆる‘ゼリコー報告書’をブッシュ大統領に提出した。 北朝鮮の核問題解決のための6カ国協議が膠着状態に陥っていた時期だ。 ゼリコー報告書の核心は「韓半島停戦協定を平和協定に変える果敢な接近法で、北核問題解決にとどまらず、一気に北東アジア冷戦構造を解体しよう」というものだ。 この報告書はブッシュ大統領の感受性を刺激した。

ゼリコー構想が完成される過程では韓国政府も積極的に働きかけたという。 匿名を求めた韓国の外交当局者は5日、「ゼリコー氏の事務室に政府高官を派遣し、平和体制構想について意見交換した」とし「一方的に話を聞くのではなく、積極的に韓国の立場を反映させるために努力した」と説明した。

当初ホワイトハウス・国務省のネオコン(新保守主義者)らは「夢想レベルの話」だとしてゼリコー構想を一蹴した。 しかし「ドイツ統一とヨーロッパの変換」という共著を出した学問的同志であり17年間の友人であるコンドリーザ・ライス国務長官が積極的に後押しした。 ライス長官に対するブッシュ大統領の信頼も作用した。

ライス長官とゼリコー氏の変換外交は、‘ムチ’と‘ニンジン’を絶妙に配合する現実主義的な手段と積極的努力で状況を変えていく外交方法論をいう。理念過剰と‘ムチ’の力を過信するネオコンとは異なる方式だ。

ブッシュ大統領が平和体制構想に初めて言及したのは06年11月にベトナム・ハノイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と伝えられている。 しかし実際は同年4月のホワイトハウスで行われた米中首脳会談にさかのぼる。 ブッシュ大統領は中国の胡錦濤・国家主席に対し、「平和協定の締結も検討できるということを金委員長に伝えてほしい」と要請した。 胡主席は直ちに唐家セン国務委員を平壌(ピョンヤン)に送った。 しかし金委員長は「米国がマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)北朝鮮口座凍結問題など対北朝鮮敵視政策をやめるのが先だ」とし、消極的な立場を見せたという。

こうした状況でブッシュ政権は「核放棄なら平和体制約束」という‘ニンジン’を提示した。 ゼリコー報告書に基づくものだ。 結局、北京6カ国協議で2・13合意を引き出し、‘ゼリコー構想’は急浮上した。 9月にシドニーで開かれた盧武鉉−ブッシュ首脳会談は、10月4日の盧武鉉−金正日合意の前奏曲だった。

‘盧−金’合意は、ゼリコー氏のデザインに沿ったブッシュ大統領の後押しによって実現した可能性も排除できない。金委員長は‘悪いことに補償はない’という攻撃には屈服しないが、‘良い行動に大きな補償がある’というゼリコー式変換外交には反応しているように見えるからだ。 ただ盧大統領の任期が残り5カ月余と短く、盧−金−ブッシュが一堂に会するのは物理的に限界がある。


◆フィリップ・ゼリコー(Philip D Zelikow、53)=ヨーロッパ政治を専攻した国際政治学者で、父のジョージ・ブッシュ政権時代から米国務省とホワイトハウス国家安保会議(NSC)で勤務した。 1989年にNSCの同僚として初めて会ったコンドリーザ・ライス国務長官により国務省顧問に抜てきされた。 米同時テロの検証、中東戦略の樹立など国務省の戦略家として活躍し、昨年12月にバージニア大の教授になった。


イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)記者
2007.10.06 10:25:44

オバマ勝利の直後、イスラエルのイラン攻撃は開始される

(阿修羅.戦争BBS.7月13日投稿から)
 http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/414.html


英デイリー・テレグラフ紙(6月24日付)が、イスラエルのイラン攻撃が、アメリカ大統領選挙が行われる11月4日から来年1月20日の新大統領就任までの間に行われるであろうとの予測を、ジョン・ボルトン(保守強硬派)からのインタビューとして掲載した。ボルトンの予測記事は、「フォーリン・アフェアーズ」でも短く取り上げられている。

Israel 'will attack Iran' before new US president sworn in, John Bolton predicts
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/2182070/Israel-%27will-attack-Iran%27-before-new-US-president-sworn-in%2C-John-Bolton-predicts.html

http://www.foreignaffairsj.co.jp/essay/webex/0807_israel_the_west_and_nuclear_iran.htm

ボルトンでなくとも、イスラエル当局が、イラン攻撃をアメリカ大統領選挙後の日程を睨んで計画していることは推測されるが、著名なネオコンであるウィリアム・クリストルの予測を、ボルトンは取り上げている。

W.クリストルは、大統領選挙でのオバマの勝利は、ブッシュにイラン攻撃を促す事になるだろうと述べ、反対に、もしブッシュが次期大統領になるのはマケインだと考えているとすれば、マケインにイランの核開発問題を任せるのが適切だと考えていると述べている。

William Kristol, a prominent neo-conservative, told Fox News on Sunday that an Obama victory could prompt Mr Bush to launch attacks against Iran. "If the president thought John McCain was going to be the next president, he would think it more appropriate to let the next president make that decision than do it on his way out," he said.

ボルトンの予測記事は、現時点で勝算の高いオバマが勝つことを想定し、W.クリストルの予測に時間的日程を組み込んだものだ。イスラエルによるイラン攻撃は、大統領選挙が行われる11月4日から来年1月20日の新大統領就任までの間と彼は述べるが、イスラエルがブッシュ政権の起動力を使うためには、オバマ当選直後でも遅いくらいだ。

ボルトンは、オバマの大統領選挙での勝利は、彼がとる外交政策によって、イスラエルの軍事行動は阻害を受けるとイスラエル人は警戒していると述べている。
更にマケインのイラン政策は、ブッシュ政権のそれよりかなり現実的であることを述べ、マケインのイラン政策をボルトンは支持している。

また、イスラエルがイラン攻撃を急ぐ理由に、ロシアの防空ミサイル・システムの供給により、イランが核施設などへの防衛力を増強しているぺースが速まっている事を挙げている。

2005年11月にイランとロシアで締結した協定に基づき供給が始まった、ロシアの防空ミサイル・システムのイランへの供給は、この先ますます、イスラエルの軍事力を限定的なものにする。そこで同盟国アメリカの参戦が不可欠なのだが、ロシアとアメリカの防空ミサイル・システムの戦いは、実戦レベルでのテストは行われたことはない。

但し、ワシントンの日高義樹氏の2,3年前の著作に寄れば、アメリカの通信兵器は、米中戦争が仮に行われた場合、極初期段階で中国軍の通信ミサイル・システムなどを完全にシステム・ダウンさせるという。

ライス米国務長官はイランに対し、「われわれは同盟国を防衛する義務を負っており、それを遂行する意志がある」、「われわれは米国や同盟国の権益を守る」と警告している。(7月10日 時事通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080710-00000100-jij-int


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Israel 'will attack Iran' before new US president sworn in, John Bolton predicts

   By Toby Harnden in Washington
   Last Updated: 9:50AM BST 24/06/2008

http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/israel/2182070/Israel-%27will-attack-Iran%27-before-new-US-president-sworn-in%2C-John-Bolton-predicts.html

John Bolton, the former American ambassador to the United Nations, has predicted that Israel could attack Iran after the November presidential election but before George W Bush's successor is sworn in.

<以下本文省略>
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執筆予定 2019.8.20 記
『国際情勢の英文サイトを 本業の片手間に読むテクニック』

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