『米ロ資源冷戦』―中央アジア、コーカサスでは、ロシアが優勢―

(阿修羅「戦争」BBS.9月9日の投稿から)

http://www.asyura2.com/08/wara4/msg/138.html

◆最初に上の地図とは別に、下記地図リンクのアドレスをクリックし、カスピ海あたりを中心として125%位の倍率にしてもらえたら、以下の記事が理解しやすいかと思う。

http://www.lib.utexas.edu/maps/world_maps/world_physical_2007.pdf

トルコのギュル大統領は9月6日、同国大統領として初めて隣国のアルメニアを訪問し、サルキシャン大統領と会談した。米ロの新たな冷戦の舞台になりつつある南コーカサス地方の安定化のため、南コーカサス3国にロシア、トルコを加えた5か国協議体の必要性を強調したという。(9月6日 読売)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080906-00000054-yom-int

トルコは最近、エネルギー資源獲得のため、コーカサス地方との関係強化に積極的だ。

「カスピ海と地中海を結ぶ欧米主導の石油パイプラインは、アルメニアを迂回してグルジア経由でトルコに向かっているが、ロシアとグルジアの軍事衝突を受け、アルメニアがグルジアに代わるルートになりうる、との見方も出ている。」(9月7日 毎日)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080907-00000057-mai-int

南コーカサス3国とは、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニアの事だが、トルコはイランとの天然ガスなどにおけるエネルギー協力を推し進めながら(未調印)、アメリカと「ロシア・イラン連合」との間で要領よくやっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080815-00000739-reu-int

グルジアでのロシア軍の長期駐留により、親米アゼルバイジャンがロシアの勢力圏に落ちれば、アルメニアは親ロシアだから、南コーカサス全域がロシアの勢力圏となる。

「グルジア侵攻によるアゼルバイジャンの攻略」(8月24日)

http://www.asyura2.com/08/wara3/msg/734.html

一方、ロシアの裏庭=CIS関係諸国の中で、南コーカサスよりも石油・天然ガス埋蔵量の多い中央アジアのカスピ海沿岸国家[ カザフスタン、トルクメニスタン ]については、露米中の三つ巴と言われている。しかし、アメリカが計画する中央アジアからアラビア海へのアフガン経由のパイプラインは、パキスタンへの通過途中で、アフガニスタンのタリバンとアルカイダに遮断されてしまう可能性が現時点では高い。

9月6日のアジア・タイムズは、マケインが大統領に就任する1月中旬には、アフガニスタンでタリバン政権が復活しているだろうとの予測をしている(オバマの場合は、アメリカは万事休す)。

http://www.atimes.com/atimes/South_Asia/JI06Df02.html

中央アジアから石油とガスを運び出すために、ブッシュ政権以前に米石油メジャーが構想していたイラン経由のパイプラインは、マケイン政権が次期政権になったとしても、今では非現実的なものになっている。

http://otd9.jbbs.livedoor.jp/911044/bbs_plain?base=341&range=1

中東地域とは別に、ロシアの裏庭である中央アジアとコーカサスでの石油・ガス覇権戦争では、アメリカは現時点で劣勢であるし、これからも劣勢であるだろう。