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 上グラフは米ドル/ユーロ為替レート


7月26日、中国海軍は南シナ海で大規模な軍事演習を行った。7月23日にハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで、クリントン米国務長官が、南シナ海での領有権をめぐる中国と東南アジア諸国間の係争への関与を強化する意向を表明した。中国の大規模軍事演習は、この米国への牽制が狙いだ。南シナ海と東シナ海での中国の覇権の問題は、日本はもちろん、米中の経済的・軍事的対立の問題を考える上で非常に大きなウエイトを持つ。今年1月終りのオバマ政権の台湾への武器売却決定は単なるパフォーマンスとしての米中対立であったが、今回のクリントン長官の南シナ海に関する発言は「米国の国益」に深く関わってくるものだ。それは11月の米中間選挙へ向けた単なるパフォーマンスではない。

戦略能力が低く、行き当たりばったりと言われるオバマとその政権にとっての、東南アジアに面した南シナ海の重要性と、恐慌時代の中国共産党政権の国家戦略について、ブログを2,3回に分けて連載したいと思う。そのためにまず現在のアメリカと中国の経済状況について、私が注目した事項を述べてみたい。

追加の金融緩和観測が高まる米連邦公開市場委員会(FOMC)は、明日10日に開かれ、今週中には、5月からの鈍化が注視されている中国の7月の不動産価格の発表がある。今日のブログは、まずアメリカ経済について。

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6月に入り、ドルがユーロと円に対して速いペースで下落を始めた。7月22日にはFRBのバーナンキ議長が、「アメリカ経済の先行きは異常なほど不透明」と弱気発言をしたが、8月6日の週末に発表された米雇用統計が市場の予想より悪かったため、今週はドル安が更に進むだろう。

7月に公表された米経済成長率の詳細なデータから、クレディスイスのチーフエコノミスト、ニール・ソス氏は「景気後退は異例に長く、異例に厳しく、異例な規模の景気刺激策に対して異例なほど効果が小さかったことが判明した」と語ったそうだ(8月2日 FT )。

http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819584E2E0E2E2E08DE2E0E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2

米国カリフォルニア州在住の金融アナリスト、広瀬隆雄氏は、バーナンキ発言とともに公表された7月からの米経済の停滞データは、今秋11月に実施される米中間選挙に向けた議会対策になっていると言う。米国では、日本国内と同様、景気刺激策の延長か財政規律の改善かの論争が論じられている。米経済誌「フォーブス」による、前者に立つポール・クルーグマンと後者のハーバード大学のロバート・バローなどの論争を日経が伝えた(7月22日)。

http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=hirose&art=136
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819499E0EAE2E2828DE0EAE2E5E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E0

要するに、バーナンキは、米中間選挙に向けて重要な争点となるこの議論に対して、FRBの量的緩和政策を継続させるための世論誘導を行ったのであるが、ちなみにジョージ・ソロスも、米国は出口戦略をとるには時期尚早だと警告している(7月19日 ブルームバーグ)。

来日していた世界最大の米債権運用会社、PIMCOのモハメド・エラリアンCEOは8月5日の記者会見で、アメリカ経済がデフレや二番底に向かうリスクは「メインシナリオではないが、確率は25%ある」と語った。彼はまた、「米国の高失業率状態は今後も継続すると見通したほか、経済成長で新興国が先進国を追い抜いた状態もそのまま続くとの見方を示した」。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK041944320100805
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aIPwAKrB2L_c

4月に景気刺激策である住宅購入優遇策の延長期限が切れ、5月の住宅市況悪化が明らかになったのは6月に入ってからであったが、グリーンスパン前FRB議長が指摘しているように、米景気が二番底に陥るかどうかは下落する住宅市場の先行き次第で、金融アナリストの中には、欧州のソブリンリスクの危機が、財政赤字が拡大した米国にこれから飛び火し、ドル急落を予測する者もいる。

6月からのドル下落では、ドル資金が金とユーロへ流れている。
南アフリカ共和国最大の銀行、スタンダード・バンクの池水雄一東京支店長は(6月18日のブルームバーグによると)、「欧米での景気停滞への警戒感の強まりを背景にユーロやドルの通貨価値が減少することを警戒した投資家の資金が金市場に流入する」としたうえで、

米国経済がサブプライム問題以降の景気低迷から抜け出せないことから「ゆっくりとドルの価値は下がっていくだろう」・・・・ドル通貨から金への資金の流れは、特に中国やロシア、インドなど新興国の中央銀行の行動に表れていると指摘した。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ajScRSGFG3OE

<<米国の景気とドルについてはここまで 次回へ続く>>


DOMOTO
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