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 目次
  ■ ペルシャ湾でのイラン軍による非対称戦
  ■ 世界的な金利急騰と日本国債の金利急騰
  ■ 結語:システム・ダウンと国債暴落後の日本


※本稿は阿修羅サイトに投稿した下記の記事の続稿です。

イスラエルと米国のイラン攻撃はいつ始まるか (2012年1月15日)
http://www.asyura2.com/11/warb8/msg/607.html

ホルムズ海峡の封鎖の可能性については、石油が専門の経済アナリストの見通しとして、封鎖されるのは数日間であろうとの予測が多く見受けられる。これに対して軍事アナリストの中で、原油タンカーなどに対してイランが非対称戦(海上・海中でのテロ・ゲリラ戦)を展開し、ペルシャ湾情勢が軍事的に長期的な混乱に陥るという見方がある。

またアメリカ・イスラエルとイランとの対立と衝突が、バーレーンを通じてサウジアラビア東部州へ、シーア派の反政府暴動として飛び火する恐れもある。サウジアラビア東部州は世界の原油生産量の10%を占め、シーア派人口が多くを占める。
12月28日、バーレーンの米国大使館は職員に対して暴動の恐れのある通勤ルートを替えることを指示した。ワシントン中近東政策研究所のサイモン・ヘンダーソン氏は、アメリカ・イスラエルとイランとの衝突はバーレーンのシーア派による国内的緊張を悪化させるだろうと予測している。

Iran's Strait of Hormuz: A Challenge to U.S. Policy (12月29日)
http://www.washingtoninstitute.org/templateC06.php?CID=1788

現在ペルシャ湾内で新たな原油の輸入先を求めている日本や中国などの国々は、中東情勢の今後の展開によっては、その財政と経済・金融へ甚大な被害を受けることも予想される。
経済アナリストの朝倉慶氏は、ペルシャ湾情勢の混乱による原油価格の急騰は、世界的な金利の上昇、そして日本国債の金利急騰を引き起こすと主張している。本稿はその予測の確実性を根拠づけるために、第1節で過去にも行われたペルシャ湾での、イラン海軍による海上テロ戦争について述べる構成になっている。

 
      ■ ペルシャ湾でのイラン軍による非対称戦

「アメリカ海軍は、イランによるホルムズ海峡の封鎖は数日間で解除されると主張している。しかしその後、ホルムズ海峡周辺海域でのイランによる非対称戦によるタンカー・貨物船への急襲・攻撃が始まる事態にアメリカ海軍は直面する。そしてその攻撃は持続的なものになるだろう。イラン海軍による非対称戦こそペルシャ湾の本当の危険だ。」

アメリカの中東政策に強い影響力を持つ、親イスラエル系の有力シンクタンク「ワシントン中近東政策研究所」(The Washington Institute for Near East Policy )は、現在のペルシャ湾情勢をこのように見ている。

Iran's Strait of Hormuz: A Challenge to U.S. Policy (12月29日)
http://www.washingtoninstitute.org/templateC06.php?CID=1788

The Real Iranian Threat in the Gulf (1月3日)
http://www.washingtoninstitute.org/templateC06.php?CID=1789

(ペルシャ湾を除き国土が海洋に面することの少ない)イラン海軍は、負けることがわかっている軍艦対軍艦の戦いに向ける軍備よりも、むしろ非対称戦に適した船や軍備に投資してきた。これはとくに革命防衛隊(IRGC)の海軍兵器がそうである。イラン海軍は、精巧な機雷、超小型潜水艦、移動式対艦巡航ミサイル、小規模船隊、高速ボート(高速艇)などを中国やロシアの協力を得て購入し、増強してきた。

Iran's navy -- especially the naval arm of Iran's Revolutionary Guards -- has invested in vessels and armaments that are well-suited to asymmetric warfare, rather than the sort of ship-to-ship conflict that Iran would surely lose. Thus, they have purchased, with Chinese and Russian help, increasingly sophisticated mines, midget submarines, mobile anti-ship cruise missiles, and a fleet of small, fast boats. In addition, they have reportedly sought to develop a naval special warfare, or frogman, capability.

イランが展開させる非対称戦についての指摘は、欧米の海軍の上級将校の話としてロイターも取り上げている。匿名を条件としたその将校の話は次のようである。

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この地域では常時アメリカ第5艦隊の空母が1隻か2隻で、イランをペルシャ湾かインド洋からの射程距離内で監視している。中東地域でのこれまでのアメリカ軍の軍事的支配力を痛感しているイランは、アメリカに対して非対称戦という戦術を採用している。

民間のトラックに積まれたミサイルは海岸線に隠すことができる。民間の帆船や漁船は機雷を敷設するのに利用することができる。超小型潜水艦は、高度な「船種を識別するスマート機雷」や「目標を追尾するホーミング機雷」を敷設するために、浅瀬に隠すことができる。

またイランでは、小型の自爆用の高速ボートを含む何百もの小型の高速攻撃艇から成る船隊を増強してきたと考えられている。その船隊は、考えられる最悪の状況として、攻撃で炎上した複数のタンカーから離れながら、ホルムズ海峡を通過しようとする複数の多様な船舶を同時に攻撃するといった状況が想定される。

Iran Could Close Hormuz?but Not for Long (ロイター 1月6日)
http://www.cnbc.com/id/45896971?__source=ft&par=ft
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イランが非対称戦を展開させるホルムズ海峡は次のような地形的特徴と航行量を持つ。

「北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれている。最も狭いところでの幅は約33km。イラン本土近傍のゲシュム島やホルムズ島をはじめとして、複数の島が海峡内にある。(中略)毎日1700万バレルの石油をタンカーが運ぶ。日本に来るタンカーの全体の8割、年間3400隻がこの海峡を通過する。船舶の衝突を避けるため幅3kmずつの航行出入レーンが設けられている。オマーン領ムサンダム半島の先にある小島のレーダーで航行を監視している。」(ウィキぺディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%82%BA%E6%B5%B7%E5%B3%A1

ホルムズ海峡は非常に狭く大きな軍事力が使いにくい。
狭い海峡でタンカーなどの航行量の多いホルムズ海峡へは、アメリカの海空軍のミサイル攻撃は不可能。イランによるホルムズ海峡での非対称戦に対して、アメリカ陸軍と特殊部隊は海峡に面したイラン沿岸部へ侵攻し陸上戦を始めなくてはならなくなる。つまり米軍は、ホルムズ海峡のすぐ北沿岸で米軍が最も苦手とするテロ戦争を覚悟せねばならない。

さらに2008年9月に作成されたワシントン中近東政策研究所の非対称戦についてのレポートでは、非対称戦の戦術の対象海域にペルシャ湾全海域がその筆頭として挙げられている(オマーン湾とカスピ海をも含む)。
このレポートによると、イラン革命防衛隊(IRGC)の海軍(IRGCN:N=Navy)は1985年にイラン海軍から独立して創設された。レポートでは、イラン・イラク戦争(1980-1988)で「タンカー戦争」と呼ばれた革命防衛隊の小型ボート(高速艇)によるゲリラ戦術が、ペルシャ湾で採用され始めたことが記載されている。この時にはペルシャ湾に大量の機雷が浮遊した。(イラクは開戦当初から、ミサイル搭載のボートや水雷などによるイラン商船への攻撃を始めていた。)

Iran's Asymmetric Naval Warfare (「イランの海上での非対称戦」 2008年9月 PDF )
http://www.washingtoninstitute.org/pubPDFs/PolicyFocus87.pdf

パネッタ米国防長官はデンプシー統合参謀本部議長とともに、ホルムズ海峡を封鎖することは決して許さない、イランが海峡を封鎖すれば「軍事行動も辞さない」と豪語するが、膨張した財政赤字を抱え、ホルムズ海峡をめぐる対立はアメリカにとっても危険なチキンゲームとなっている。

次の記事は1月6日に起きた、革命防衛隊によるものと思われる小型高速艇の、米軍艦船と警備艇への2件の敵対行為を米国防総省高官が明らかにしたものだ。


◆◆下のリンクへ続く>>
「▲撻襯轡穗僂任粒ぞ絅謄軅鐐茲如∪こγ罎龍睛と日本国債の金利が急騰する」
 http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/36285732.html


DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html