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目次
 ■ はじめに 円安株高の相場
 ■ カイル・バスの予告と円安トレンド
 ■ S&Pの格下げ予告と貿易赤字の拡大
 ■ ヘッジファンドによる 『博打経済』
 ■ 日本株を買い上げ国債金利を上昇させる (次回)


      ■ はじめに 円安株高の相場

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IMFのチーフエコノミストやオバマ政権の経済顧問を務めたハーバード大学教授のケネス・ロゴフは、「巨額の債務(借金)を解消するのに必要なことは、意図的にインフレを起こし債務の価値を減らすことだ」と述べているが、日本の政治の流れはそういう段階(フイズ)に追い詰められてきたようだ。
(中略)この負債処理の最終段階には「インフレ」が来る。古今東西の歴史が教えてくれることは、「膨大な負債の分配にはインフレが必要である」ということである。

「ABEノミクス」に対して日銀の白川総裁・野田民主党・経済学者などが一斉に反撃しているが、「では、どうすればよいのか」と言われれば結局、「現状維持」となる。日銀や民主党の政策の「答え」はもう出ているのである。「終わりのない株価低迷・円高・デフレ不況」である。だから、何の説得力もない。「さっさと不況を終わらせろ」という人々の不満が、民主党や日銀に向けられている。

筆者はこのレポートで「ABEノミクス」についての是非を述べているのではない。(中略)問題は相場であり投機筋の動きである。日本の袋小路状況が促した「ABEノミクス」の提言で、「日本のリフレ政策の発動の気配」に「カネの匂い」を嗅いだ海外投機筋は、一斉に「円売り・日本株買い」に動いている。
(中略)現在の日本の円安・株高は外人主導である。海外勢は「どんな連立政権が出来ても、日本はマネタリゼーションと財政出動の方向に進む」とみているのだ。それは、「消費増税を実現したい財務省がリフレ政策に乗る」と考えているからだ。

ドル/円相場はどこまで戻る? (11月26日 椎名由紀夫:ファンドマネジャー)
http://www.iwaicosmo.co.jp/investment/column_fx/
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「この論争はもう終わった。勝負あったと思っている」
「私たちの政策は正しい。政策を発表した段階で円高は是正され株価が上がっている」

自民党の安倍晋三総裁は11月23日、岐阜市内で講演し、持論の「大胆な金融緩和」を唱えることで円安・株高を演出したことを強調し強い自信を示した(時事通信)。

「この論争はもう終わった、勝負あった、私たちの政策は正しい」と自信気に演説した安倍総裁の頭の中には、超高速コンピューターを駆使する海外投機筋の「巨大で暴力的な力」への防衛感覚は全く無い。

日本国債の暴落を狙っていることで有名なヘッジファンド、ヘイマン・キャピタルのカイル・バスの戦術の中には、円安と株高を仕掛け日本国債を暴落させるというのがある。
ほかにもグリーンライト・キャピタルのデービッド・アインホーンや、ペレラ・ワインバーグ・パートナーズのダニエル・アーベスなど、長引く円高の下で日本国債暴落を狙い続けてきたヘッジファンドは、いま逆転の時機を窺っている。そして、この流れへ他の投機筋が合流する可能性は否定できない。

たとえ円安株高の基調が定着したとしても、「私たちの政策は正しい」などと即断することはできないのだ。

自民党は自分達の国防政策を自負している。しかし、この安倍自民党の金融・経済政策は、国家経済の破壊を速め、その破壊規模を甚大なものにし、そのことにより、財政基盤を破壊された国防政策の全体が崩壊する可能性を帯びている。

国債暴落はもう、いまや止めることのできない物理現象のようなものとなってしまっており、どの党が政権に就いても早いか遅いかの違いだけであるかもしれない。しかし、安倍自民党の金融・経済政策が及ぼす影響は国民にとって非常に破壊的なものになるだろう。

アメリカ大統領選挙が終わりオバマが再選を果たしたいま、米英格付け機関が貿易赤字の拡大する日本に対して、いつ数段階の国債格下げをしてきてもおかしくない。
これは29日に、米上院が尖閣諸島を日米安保第5条の適用対象であるとした追加条項を、国防権限法案に盛り込む決定をしたことと何も矛盾しない。

安倍自民党が掲げる大胆な金融緩和への理論的な批判としては、慶應義塾大学准教授の小幡績氏の記事がよくまとめられていると思う。この投稿は愉快なものではないと思うが、小幡氏の記事を一読してからの方が私の投稿への反発が少ないかと思う。

「ハイパーインフレは本当にやってくるのか ― リフレ政策への大誤解 ―」 (11月22日 東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/11850

 
      ■ カイル・バスの予告と円安トレンド

「安倍は、自分のしようとしている事がどのような結末になるのかすら理解していない。なぜならもし彼がそれを実行すれば、『債務の爆弾』を爆発させることになるからだ。」

安倍総裁が21日に衆院選での自民党の政権公約を発表した日、カイル・バスはケン・イーディス教授(バージニア大学ビジネススクール)のインタビューを受け、こう語った。以下はそのインタビューをまとめた記事の抄訳。(括弧内は筆者が補った;フル・インタビューがビデオで視聴可)

KYLE BASS: The Japanese Politician Everyone Is Excited About Is Going To 'Detonate' A Bomb On The Economy (11月21日 ビジネスインサイダー)
http://www.businessinsider.com/kyle-bass-japan-has-a-full-crisis-2012-11

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(抄訳開始)

『日本はまさに『債務の爆弾』を爆発させようとしている。日本は非常に大幅な円の下落を強いられるだろう。

安倍政権の誕生が引き金となり、それは円の切り下げ(実質的な)と日本国債の金利急騰という結果をもたらすだろう。

今後12〜18ヶ月の間に日本国債の金利に上昇の動きが見られるだろう。要するに日本はチェスでいうところの最終の「王手詰み」の段階に入っている。』

日本のGDPは尖閣問題による中国の不買運動による攻撃を受けている。(このことが加わり)『貿易収支は完全に(赤字へ)塗り替えられていて、崖を転げ落ちており、GDPは現在マイナス3.5%、マイナス4%の状態にある。』(7〜9月の国内総生産(GDP)は実質で4〜6月比0・9%減、年率換算で3・5%減)

カイル・バスは、12月16日の総選挙での安倍自民党の勝利は、日本の状況を危険で深刻なものにするが、それは予測されたことだとしている。

『安倍は3%(2%へ修正)のインフレ目標実現のために、可能なすべてのことをするつもりだと言っている。安倍は、自分のしようとしている事がどのような結末になるのかすら理解していない。なぜならもし彼がそれを実行すれば、『債務の爆弾』を爆発させることになるからだ。

日本人はいま、危機の真っ只中に置かれている。日本人は通貨の取り扱いの方法を何としても変えなければならない。』

(抄訳終了)
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安倍総裁は衆議院解散前後に発言した「大胆な金融緩和」の修正をした。11月21日に公表された党の政権公約で2〜3%のインフレ目標を2%へ修正。その後も24、25日と「大胆な金融緩和」のトーンを下げている。
しかし党の政権公約でも表現されているように、現在行われているレベルの金融緩和を、より大胆に強化させていくことに変わりはない。この安倍総裁の修正発言を受けて経済エコノミストの朝倉慶氏は、次のようなコメントを自身のホームページに出している。

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安部総裁は3%という数字を出したこともありましたが、これはあまりに非現実的だったと思います。2%という数字も大変なことなのですが、この2%という数字は政治的にコンセンサスが得られるのではないでしょうか、しかし現実に日銀がこの2%のインフレ目標を達成するのは至難の業となるでしょう。大変な量の国債を購入することになっていくと思われます。こうなると今動き始めた株の上昇や円安は勢いを増すことでしょう。そして2%のインフレどころか、5%、10%と諸物価は上がっていくことでしょう。単純に考えて今の円相場が100円になれば、エネルギーはほとんど輸入ですから25%ほど高く輸入しなければなりません。デフレ解消の為のインフレ目標が、本当のインフレの心配に代わる日がやってくるでしょう。

<めど>はやめて<目標>に! 安部総裁、日銀に要請か!(11月27日 アセットマネジメントあさくら)
http://www.asakurakei.com/newsDetail.cfm?newsID=98
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すでにマスコミによって、安倍総裁の発言などにより今後の円安のトレンドが予想されている。ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏は、自民党の復権により「円高から円安傾向に転換する」と述べ、「円の動きが最も興味が湧くマクロ経済のテーマ」であると語っている。(11月21日 Yahoo!ファイナンス、22日 ブルームバーグ)

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http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/37341361.html