【前編】 ソロスの空売りファンドが日本の年金積立金を食い尽くす

◆【この記事は5月8日にメルマガで配信された以下の題名の記事の、一部を掲載しています】
http://www.mag2.com/m/0001627731.html

    ソロスの空売りファンドが日本の年金積立金を食い尽くす    

             7~9月に活動開始

【目次】

【1 年金積立金とジョージ・ソロス

【2 ソロスのアジア・ヘッジファンド

【3 プレイアドの投資戦略

【結】「日本売り」とヘッジファンド

 

 

     【1 年金積立金とジョージ・ソロス

 

英エコノミスト誌によれば、ジョージ・ソロスは2014年1月22日、ダボス会議で安倍首相と短時間の会談をし、「日本の巨大なGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)はもっと大きいリスクを取る必要があった」とおどしつけた(“hectored”)そうだ。GPIFは世界最大の年金基金である。

 

Risk on  Japan’s pension giant - (2014/03/15 Economist)

http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21599056-worlds-largest-pension-fund-changing-way-it-invests-big

 

日本の年金基金:リスクを取り始めた巨大基金 (2014/03/20 邦訳版:JPpress)

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40220

 

これはソロスが、2013年から安倍政権が変更の見直しを進めているGPIFの資産運用について、国債売却と株式購入の速度をもっと速め、もっと大きいリスクをとるように安倍首相に迫っていたことを伝えたものだ。「GPIFは、ポートフォリオの中で日本国債のウエートを2013年3月の62%から2013年末に55%まで減らし、減らした分のほとんど―約8兆円―を代わりに日本株と外国株に投資している。」(JPpress)

 

4月22日、田村厚生労働相はGPIF 運用委員会の委員7人を任命した。「うち3人は国内債中心の運用見直しなどを提言した有識者会議のメンバーで、安倍晋三内閣が求めるGPIFの資産配分と組織の改革が加速する可能性がある」(4月22日ブルームバーグ)。

 

この人事でGPIFの運用委員を退任した慶應大学大学院の小幡績准教授は、ほぼ全員を入れ替えたこの人選の基準は、「改革に積極的な人、株式投資に積極的な人を入れた」と「BLOGOS」のブログで述べている。

 

この人選発表の前日、ジョージ・ソロスが香港を拠点とした、日本と中国をフォーカスするヘッジファンドを立ち上げたことを、ロイターとブルームバーグが伝えていた。人選の情報を、いち早くソロスが入手していたことは想像に難くない。それは麻生太郎財務相の発言から推測できる。

 

Former Soros team to start $150 mln Hong Kong-based hedge fund 4月21 ロイター

http://uk.reuters.com/article/2014/04/21/hedgefunds-asia-pleiad-idUKL3N0NC0MP20140421

 

HS Group Backs Ex-Soros Specialists for New Asia Hedge Fund 4月21 ブルームバーグ

http://www.bloomberg.com/news/2014-04-21/hs-group-backs-former-soros-specialists-for-new-asia-hedge-fund.html

 

麻生太郎財務・金融相は4月16日の衆院財務金融委員会で、6月の成長戦略改定で、GPIFの運用の在り方が議論されることになっていることを踏まえ、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の動きが6月にも出てくると、外国人投資家が動く可能性が高くなる」と述べている(4月18日ロイター)。

 

GPIFは今年6月までに公表される年金の財政検証の結果を受けて、資産構成の修正・見直しを始める(4月16日日経)。

 

財務相、GPIF「動き6月に出てくると海外投資家が動く」 (4月16 日経)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL160II_W4A410C1000000/

 

ソロスが新しくヘッジファンドを立ち上げるのは、今年の「第三四半期」である7~9月(ロイター英語版)。投機筋の本当の恐ろしさを知らない麻生財務相や安倍首相が期待する6月以降の株式相場に、ソロスのヘッジファンド立ち上げは時間的にピッタリと間に合う。

 

今年1月のダボス会議で安倍首相に、「GPIFはもっと大きいリスクを取る必要がある」と強く求めたソロスの計画は順調に見える。

 

次ページへ 【後編】 ソロスの空売りファンドが日本の年金積立金を食い尽くす

http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38780556.html