経済戦略と国際情勢

救国済民。来るべきこの国の大量経済難民を、どう救うか

2010年08月

なぜ中国共産党はドル支配体制を打倒せねばならないのか ―南・東シナ海での中国の国家戦略ぁ

(※ 「東南・東アジアの膨大なドル資産と人民元の台頭 ―南・東シナ海での中国の国家戦略―」の続き)
  http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33101586.html


    ■ なぜ中国共産党はドル支配体制を打倒せねばならないのか

これらはアメリカにとってドル経済体制に対する極めて重大な挑戦だ。
しかし、13億4千万の人口を抱える中国共産党にとってドル経済体制に対する挑戦は、国家の社会体制を維持するための高い必要性から生じてくるもので、ファーガソン教授らが主張する「米中の利害対立の拡大」は極めて必然的で不可避なものになってくるだろう。
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33051240.html

中国共産党政府は、景気変動による大量失業で社会秩序が悪化に陥らないようにするために、毎年最低8%以上の経済成長を義務づけられている。世界中から石油を掻き集めるのも、鉄鉱石を掻き集めるのも共産党政権の維持のためだ。

米ハドソン研究所のデータでは、中国の老齢化は急速に進み、60才以上の人口は、2020年には17.1%、2030年には国民の約4分の1の23%と推計されるという(今年5月に発表になった日本の65才以上の人口が全体の23%)。1人の老人を支える労働者の比率(依存比)で見ると2006年の5.2が、2030年には2.2へ急上昇。中国には労働者2.2人で老人1人を養う、つまり9億の労働者が4億の老人を養う時代が待っている(注1)。中国共産党は急速に進む高齢化社会へ向けて、全くなおざりにされてきた社会福祉体制の恒久的財源を確保せねばならない。

現時点で明らかな事は、中国共産党政府は、広大な中国国内の社会秩序を未来にわたって維持するために、「ドル」と類似した「人民元」の還流経済システムを少なくともアジア圏で作ろうとしている事だ。世界最大の経済成長力をもつアジア圏での人民元基軸通貨体制は、必然的に世界を支配しているドル体制を瓦解・崩壊させる。(※ アジア圏でこの問題を考える場合には、中国のインド政策、中印関係について検討しなければならないが、インドとの問題についてはまたの機会としたい。)

「DNA」(新ドル圏)諸国の特徴は、サウジアラビア、クウェートが含まれるようにアメリカの軍事力と政治力に依存している事だ。中国はこのアジア圏で人民元を基軸通貨にするために、その必須条件である「軍事力」をアジア圏でより一層高めなければならないが、それはアメリカ第七艦隊との覇権争いを意味する。


  <<続く>>


■(注1)『アメリカの日本潰しが始まった』第5章 P.190 (日高義樹著 2010年3月刊)

■ 関連リンク
 「東南・東アジアの膨大なドル資産と人民元の台頭 ―南・東シナ海での中国の国家戦略―」 (8月25日)
  http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33101586.html
 「始動する人民元の国際通貨化 ―南・東シナ海での中国の国家戦略◆宗 (8月19日)
  http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33051240.html


DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735
http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html

東南・北東アジアの膨大なドル資産と人民元の台頭 ―南・東シナ海での中国の国家戦略―

 <※ 前回 「始動する人民元の国際通貨化 ―南・東シナ海での中国の国家戦略◆宗廚梁海>
  http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33051240.html


7月26日、中国海軍は南シナ海で大規模な軍事演習を行った。7月23日にハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで、クリントン米国務長官が、南シナ海での領有権をめぐる中国と東南アジア諸国間の係争への関与を強化する意向を表明した。中国の大規模軍事演習は、この米国への牽制が狙いだ。南シナ海と東シナ海での中国の覇権の問題は、日本はもちろん、米中の経済的・軍事的対立の問題を考える上で非常に大きなウエイトを持つ。

2005年以前からウォール街の専門家がアメリカ経済にとって重要視していた地域に、「DNA」( Dollar New Area=新ドル圏)と呼ばれたものがあった。サウジアラビア、クウェート、日本、台湾、韓国、タイ、マレーシアなどの諸国が、当時のウォール街の専門家によって、「DNA」(新ドル圏)と呼ばれ、借金経済を運営維持する重要なドル還流システムとして位置づけられていた(日高義樹著 『米中石油戦争がはじまった』 2006年2月刊)。

台湾と韓国が位置する東シナ海と並びタイ、マレーシアなどの南シナ海に臨む東南アジア諸国連合(ASEAN)は、その後も目覚しい経済発展を遂げ、10カ国が加盟する東南アジア諸国連合は今年1月、欧州連合、アメリカに次ぐ中国にとって3位の貿易相手となった(3月18日 ブルームバーグ)。その後日本の景気回復により、2010年上半期の統計で東南アジア諸国連合は中国にとって第4の貿易パートナーとなっている(7月28日 Record China)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=a_RsWqjcFL0I
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100728-00000021-rcdc-cn

アメリカの「DNA」(新ドル圏)に含まれる東南アジアは中国にとっての近隣南に位置し、シーレーンの航行地域というだけでなく経済的に非常に重要な意味をもつ地域だ。中国政府は、2009年7月、他国との貿易取引について元建てでの決済を真っ先に東南アジアで解禁している。

アメリカの政府関係者によれば、中国はアメリカに対し、世界人口の半数32億人が住むアジア市場の、中核になるだろうと予想される成長著しい東南アジアを、台湾、チベットと並ぶ「中核的利益」と見なしている事を明らかにしていたそうだ(8月4日 フィナンシャル・タイムズ、8月18日 毎日新聞)。
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C9381959FE2E6E2E08B8DE2E6E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2


    ■ 東南・東アジア地域の米国債保有残高と人民元の台頭 

米財務省が16日発表した6月末の米国債保有状況によると、「銀行や投資信託をはじめとする米投資家による米国債の保有割合は50.5%と、金融危機が始まった2007年8月以降で最大となった」が、「6月末の中国の米国債保有残高は、比較可能な昨年6月末以降で最低。ピークの昨年7月(9399億ドル)に比べ10.2%減となった。」「外貨建て資産の運用分散を狙って日本国債を買い増す一方、米国債の残高は減らす中国の姿勢が浮かび上がっている。」(8月16日 ブルームバーグ、8月17日 日経)
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959CE3E5E2E3938DE3E5E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

2008年11月の米下院の公聴会で、「豚の耳(住宅ローン担保証券)を絹の耳として売ることにお墨付きを与えたのは格付け会社だ」と言って、リーマン・ショックの元凶は格付け会社だとはっきり指摘したのは、世界最強と言われるヘッジファンド「ルネサンス・テクノロジー」のジェームズ・シモンズだ。

株式市場と異なり債券市場では、独占的機関である格付け会社を訴訟で倒産させれば市場は大混乱を起こすが、中国の格付け機関である大公国際資信評估は、私達の既成のマスコミ的常識をあっさりと転覆した。大公は、米国債を米英3社が「トリプルA」としていたものを「AA」へ格下げし、見通しは「ネガティブ(弱含み)」、中国国債の格付けは「AA+」、見通しは「ステーブル(安定的)」とした(7月20日 ブルームバーグ)。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=avtEJv1czDeQ

(現在、消去法的理由で金利低下し、短期的スパンでのみ買われている日本国債は、自国通貨「AA−」、外貨「AA」で見通しは「否定的」。 7月13日 中央日報)
 http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=131116

共産党政府下に置かれている大公の格付けは操作性が含まれているが、W.ペセックが前出記事で述べているように、米国債に対する大公の格付けは「間違ったメッセンジャーからの正しいメッセージだ」。

前回ブログ、『始動する人民元の国際通貨化』で中国国内の債券市場へ他国が貿易決済で得た人民元資金を流入させる動きを開始するニュースを取り上げた。
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33051240.html

中国人民銀行は8月17日、国内資本市場に他国が貿易決済で得た人民元資金の流入を促すため、海外の金融機関に、中国の銀行間債券市場での人民元資金の運用を認める試験プログラムを実施するとの声明を出した。
「人民銀が7月30日発表したところによると、中央政府や銀行、企業が発行した債券などを売買する銀行間債券市場の規模は6月現在、計14兆3000億元(約180兆円)。債券発行残高の総額に占める割合は97%に上る。」

(「中国、外銀による国内債券市場での元運用を解禁へ−試験プログラム」 8月17日 ブルームバーグ)
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=avQbadJmgCxw

先ほど、2009年7月、中国が他国との貿易取引について元建てでの決済を真っ先に解禁したのは、東南アジア諸国連合(ASEAN)であっと述べたが、中国にとって欧州、米国に次ぐ第3位の貿易相手となった東南アジア諸国連合(ASEAN)は、将来的に中国の債券市場の有力な買い手となる。

下記アドレスでリンクされる数表は、アメリカ財務省(HP)による月次の米国債保有残高を表したものだ(8月16日更新)。

MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES
http://www.treas.gov/tic/mfh.txt

2010年6月の主要米国債保有国のうち、東シナ海に臨む韓国、台湾と南シナ海に臨む香港、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの米国債保有残高の合計は、4335億ドル。これに中国本土の8437億ドルを加えると、1兆2772億ドル。内訳は東シナ海に面した韓国と台湾の合計が1673億ドル、東南アジアの前出4ヵ国の合計が1252億ドル。米国債の海外勢全体の保有残高の総合計は4兆92億ドル。

この米国債保有残高を地域別に見るとアジア地域が圧倒的に多く、次いで欧州が多い。中国、日本、英国のトップスリーを別にすると、香港と台湾、韓国、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの6カ国の合計は、独仏など欧州11カ国の合計とほぼ同じで、中国の保有残高の半分以上を占める。香港とアジア前出6カ国の合計は、インドネシアを含む石油輸出国15カ国の合計に、ヘッジファンドなどが国籍を置くカリブ海域諸島の租税回避地の合計を加えた金額よりも453億ドル多い。

(※ 中国本土の8437億ドルには、米財務省の統計に現れないイギリスと香港などで中国政府が中国関連団体により米国債を購入している分が更に加算される。)
 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/358.html

東シナ海に臨む韓国、台湾と南シナ海に臨む東南アジア諸国(ASEAN)は、「DNA」(新ドル圏)として、米国債などの莫大な「ドル資産」を保有しているが、中国は、この「ドル資産」を、徐々に「人民元資産」へと置き換えようとしている。人民元の国際通貨化を進め、格付け機関、大公が中国国債を米国債よりも優位と発表しているのはその動きの現れだ。

こういった、中国がアジア圏の「ドル資産」をそのまま「人民元資産」へと置き換えようとしているという見方は以前から言われていたことだが、中国の驚異的な軍事力増強のレポートを加えて具体的な記述で示してくれたのは、ワシントン在住の日高義樹氏だ。中国が人民元の国際通貨化によってアジアの経済圏から「ドル」を追い出す動きは、2006年2月に出された著作、『米中石油戦争がはじまった』に述べられているが、今回の私のブログはその予測の4年後の現在を追ってみた。7月26日、南シナ海で中国の大規模演習が行われ、日高氏の予測は軍事面でも経済面でも現実化している。


<「なぜ中国共産党はドル支配体制に挑戦せざるを得ないのか ―南・東シナ海での中国の国家戦略ぁ宗廚愨海>
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/33101807.html


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http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html

始動する人民元の国際通貨化 ―南・東シナ海での中国の国家戦略◆

( ※ 前回 「ドル下落と米国の二番底 ―南・東シナ海での中国の国家戦略 宗 の続き )
  http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/32970893.html


「中国政府は(2009年)7月、上海、広州、深センなど中国本土の一部都市と、東南アジア諸国連合(ASEAN)、香港、マカオとの貿易取引について、元建てでの決済を試験的に解禁した。中国の輸出企業は元で代金を受け取り、輸入企業は元を国外の企業に支払う仕組みがすでに動き出している。」
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/210912.htm

これから1年後の今年6月17日、中国政府は、これらの限定的対象の国との貿易にしか認めなかった人民元建て貿易決済の試験プログラムを大幅に拡大する決定を、国営ラジオで報じた。

「具体的には、これまで香港やマカオ、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との貿易のみ認められていた人民元建て決済がすべての取引相手国に適用される。」

これには、「人民元の世界的な信認を高める狙いがあるとみられている。」

(「中国が人民元建て貿易決済拡大へ」 6月18日 asahi.com)
 http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201006170116.html

この1週間後に、アジア開発銀行は人民元の今後に関するリポートを発表している。

「人民元、いずれ準備通貨となる可能性=ADB」(2010年6月24日)

[香港 24日 ロイター]アジア開発銀行(ADB)は24日発表したリポートの中で、人民元は米ドルの代わりとして、急速に世界で用いられる通貨になる可能性がある、との見通しを示した。
 リポートは「人民元はまだ国際的な通貨とはなっていないが、多くの人々が考えているよりはるかに早くそうなる可能性がある。人民元は国際化により、ユーロと同様、米ドルの代わりの通貨となり、世界の準備システムを複数通貨構造に導く可能性がある」と指摘した。
 リポートはコロンビア大学アース・インスティチュートとの共同研究として、ノーベル賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏ら、11人のエコノミストがまとめた。
 リポートは、人民元が準備通貨となる時期については触れていないが、多くのアナリストは、中国政府が上海を国際的な金融センターにすることを目指す2020年までに、完全な交換通貨になると予想している。


中国人民銀行は8月17日、国内資本市場に他国が貿易決済で得た人民元資金の流入を促すため、海外の金融機関に、中国の銀行間債券市場での人民元資金の運用を認める試験プログラムを実施するとの声明を出した。

「人民銀が7月30日発表したところによると、中央政府や銀行、企業が発行した債券などを売買する銀行間債券市場の規模は6月現在、計14兆3000億元(約180兆円)。債券発行残高の総額に占める割合は97%に上る。」

(「中国、外銀による国内債券市場での元運用を解禁へ−試験プログラム」 8月17日 ブルームバーグ)
 http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=avQbadJmgCxw

経済・金融史が専門である著名なハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授は、2009年以前からアメリカの財政赤字の限界による米国債の金利急騰とドル崩壊を予測し、2009年には、今後、中国とアメリカの間で利害対立が拡大していくと言っていたそうだ(朝倉慶著 『すでに世界は恐慌に突入した』 2009年12月刊)。彼は、ポール・クルーグマン、ケネス・ロゴフなどの著名な学者らとともに、アメリカ経済の論壇で活発な活動を行っており、特に米中関係での発言が注目される。ブルームバーグ(日本版)で検索すると8月2日付の記事で、ファーガソンが、

「米ドルがいずれ世界的な準備通貨としての地位を人民元に譲ることになり、それは恐らく5年以内だろう。投資家は事実上の金本位制に向かっている。」

と、オーストラリアで行われた会議の講演で指摘していた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=aQ58iSiSBgBY

ファーガソンは、スティグリッツらがまとめたADBのリポートよりも、大幅に中国と人民元の今後を高く評価している。

下記アドレスでリンクされる数表は、IMFの資料をもとに作成された、1995年〜2009年までの「世界の外貨準備における主要通貨の比率の推移」を表したものだ。

http://wkp.fresheye.com/wikipedia/%E6%BA%96%E5%82%99%E9%80%9A%E8%B2%A8

ユーロが決済通貨として導入された1999年から2009年の10年で見ると、ユーロが全体の17.9%から28.1%へ上昇したために、米ドルは全体の70.9%から61.5%へダウンしている。
ここへ2009年7月から国際通貨化へ向けて活動を始めた中国人民元が食い込んだら、この先、米ドルの比率とシェアは更に落ちることになる。


<<中国人民元についてはここまで 次回へ続く>>


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ドル下落と米国の二番底 ―南・東シナ海での中国の国家戦略 

イメージ 1

 上グラフは米ドル/ユーロ為替レート


7月26日、中国海軍は南シナ海で大規模な軍事演習を行った。7月23日にハノイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラムで、クリントン米国務長官が、南シナ海での領有権をめぐる中国と東南アジア諸国間の係争への関与を強化する意向を表明した。中国の大規模軍事演習は、この米国への牽制が狙いだ。南シナ海と東シナ海での中国の覇権の問題は、日本はもちろん、米中の経済的・軍事的対立の問題を考える上で非常に大きなウエイトを持つ。今年1月終りのオバマ政権の台湾への武器売却決定は単なるパフォーマンスとしての米中対立であったが、今回のクリントン長官の南シナ海に関する発言は「米国の国益」に深く関わってくるものだ。それは11月の米中間選挙へ向けた単なるパフォーマンスではない。

戦略能力が低く、行き当たりばったりと言われるオバマとその政権にとっての、東南アジアに面した南シナ海の重要性と、恐慌時代の中国共産党政権の国家戦略について、ブログを2,3回に分けて連載したいと思う。そのためにまず現在のアメリカと中国の経済状況について、私が注目した事項を述べてみたい。

追加の金融緩和観測が高まる米連邦公開市場委員会(FOMC)は、明日10日に開かれ、今週中には、5月からの鈍化が注視されている中国の7月の不動産価格の発表がある。今日のブログは、まずアメリカ経済について。

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6月に入り、ドルがユーロと円に対して速いペースで下落を始めた。7月22日にはFRBのバーナンキ議長が、「アメリカ経済の先行きは異常なほど不透明」と弱気発言をしたが、8月6日の週末に発表された米雇用統計が市場の予想より悪かったため、今週はドル安が更に進むだろう。

7月に公表された米経済成長率の詳細なデータから、クレディスイスのチーフエコノミスト、ニール・ソス氏は「景気後退は異例に長く、異例に厳しく、異例な規模の景気刺激策に対して異例なほど効果が小さかったことが判明した」と語ったそうだ(8月2日 FT )。

http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819584E2E0E2E2E08DE2E0E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2

米国カリフォルニア州在住の金融アナリスト、広瀬隆雄氏は、バーナンキ発言とともに公表された7月からの米経済の停滞データは、今秋11月に実施される米中間選挙に向けた議会対策になっていると言う。米国では、日本国内と同様、景気刺激策の延長か財政規律の改善かの論争が論じられている。米経済誌「フォーブス」による、前者に立つポール・クルーグマンと後者のハーバード大学のロバート・バローなどの論争を日経が伝えた(7月22日)。

http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=hirose&art=136
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C93819499E0EAE2E2828DE0EAE2E5E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E0

要するに、バーナンキは、米中間選挙に向けて重要な争点となるこの議論に対して、FRBの量的緩和政策を継続させるための世論誘導を行ったのであるが、ちなみにジョージ・ソロスも、米国は出口戦略をとるには時期尚早だと警告している(7月19日 ブルームバーグ)。

来日していた世界最大の米債権運用会社、PIMCOのモハメド・エラリアンCEOは8月5日の記者会見で、アメリカ経済がデフレや二番底に向かうリスクは「メインシナリオではないが、確率は25%ある」と語った。彼はまた、「米国の高失業率状態は今後も継続すると見通したほか、経済成長で新興国が先進国を追い抜いた状態もそのまま続くとの見方を示した」。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK041944320100805
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aIPwAKrB2L_c

4月に景気刺激策である住宅購入優遇策の延長期限が切れ、5月の住宅市況悪化が明らかになったのは6月に入ってからであったが、グリーンスパン前FRB議長が指摘しているように、米景気が二番底に陥るかどうかは下落する住宅市場の先行き次第で、金融アナリストの中には、欧州のソブリンリスクの危機が、財政赤字が拡大した米国にこれから飛び火し、ドル急落を予測する者もいる。

6月からのドル下落では、ドル資金が金とユーロへ流れている。
南アフリカ共和国最大の銀行、スタンダード・バンクの池水雄一東京支店長は(6月18日のブルームバーグによると)、「欧米での景気停滞への警戒感の強まりを背景にユーロやドルの通貨価値が減少することを警戒した投資家の資金が金市場に流入する」としたうえで、

米国経済がサブプライム問題以降の景気低迷から抜け出せないことから「ゆっくりとドルの価値は下がっていくだろう」・・・・ドル通貨から金への資金の流れは、特に中国やロシア、インドなど新興国の中央銀行の行動に表れていると指摘した。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=jp09_newsarchive&sid=ajScRSGFG3OE

<<米国の景気とドルについてはここまで 次回へ続く>>


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