経済戦略と国際情勢

救国済民。来るべきこの国の大量経済難民を、どう救うか

2014年10月

中ロ印の三国によるアジアの地殻変動−米国パワーの衰退−

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※ ベトナムをめぐる中ロ印の関係、中央アジアでの中ロ関係など中ロ印の三国関係は必ずしも一枚岩ではないようです。


【◆◆以下は有料メルマガ9月25日号で記事にしたものです】


     中ロ印の三国によるアジアの地殻変動

      −米国パワーの衰退−


【目次】
【序】 マラッカ海峡と中印の協力体制
【1】 中国・インド=ロシアのエネルギー統合
【2】 中ロ印によるアジア統合
【3】 中ロ:同盟責任のない同盟パートナー


    【序】 マラッカ海峡と中印の協力体制

いま日本のマスコミや欧米のマスコミでは「イスラム国」(ISIS)の報道が半ば一色でされています。欧米で中東のイスラム国の報道が大きく取り上げられるのは、欧州圏と中東イスラム圏が隣接していること、イスラム・テロ組織と米国と欧州が敵対していること、NATO諸国と中東イスラム圏が隣接していることが背景にあります。

日本も中東には石油・ガス輸入を大きく輸入依存してるので、マスコミ報道がそこへ集中するのはそれはそれでいいのですが、欧米マスコミが追いかけている話題をさらに日本のマスコミが後追いしているだけで、アジア圏や東アジアから世界を見る視座に欠けているように思えます。

いま、アジアではこの記事の題名にあげたような「中ロ印の三国によるアジアの地殻変動」が起こっています。

オバマ大統領がイラクやシリアへの空爆を掲げ、米国の力をアピールしているのは、11月初めの中間選挙が間近に迫っているのがその半分の理由で、低迷する支持率で身内の民主党内からも圧力がかかっているのです。

そもそも専門家達も(マスコミでさえ)、米国のこの行動は戦略的に勝算がまるで立たないことを指摘しています。オバマ政権は予想を上回る大規模攻撃を開始しますが、その効果はマスコミでさえ非常に疑問視しています。中間選挙が間近に迫っているので、派手な爆竹を鳴らして米国民の気をそらしているようなものではないでしょうか。

イスラムテロ組織との戦争には、停戦合意も講和条約の締結もありません。永遠なる「モグラ叩き」ゲームのようなものです。

これは9.11テロが起こる以前からもう15年以上も前から言われている事ですが、イスラムテロ組織との非対称戦は、テロを生む政治的・社会的構造(土壌)が大きな原因となっており、そこの是正を政策的に行っていかななければ、撲滅しても撲滅してもテロ組織はゾンビのように大量発生を繰り返します。

そして、欧米の政治家と中東のその友好国が、このように中東で永遠なる「ゾンビ叩き」をしている間に、現在ユーラシア大陸のアジアでは中国、ロシアとインドの三国を中心とした協力体制が着々と築きあげられています。

中国とロシアの二国間の協力体制については6月の有料メルマガでお伝えしましたが、この中ロ勢力にインドが取り込まれる動きが出てきました。

インドと中ロの結びつきが強くなることは、私たち日本の中東石油や物資のシーレーン確保に対して安全保障上の大きな問題・支障が出てくるという事です。

「アメリカ国防総省がまとめた『2025年の世界』という予測の中では、米国軍が東シナ海、西太平洋、南シナ海、そしてインド洋から兵力を引きあげるため、大きな軍事的変動が起きると予測している。」(日高義樹著 『アメリカの大変化を知らない日本人』 2014年2月刊)

そしてこの国防総省の予測では、米国海軍の引きあげとともに、中東から東アジアへのびる「シーレーンの確保に中国とインドが重大な役割を果たす」ようになり、インドと中国の同盟体制が確立することになる」とされているそうです。

同予測では2016年以降、インドネシアのイスラム勢力が暴動を起こし、マラッカ海峡やロンボク海峡の閉鎖を行うと見ていますが、それに「中国とインドが積極的に介入し、インド海軍がマラッカ海峡までを制圧する」とされているそうです。


    【1】 中国・インド=ロシアのエネルギー統合

インドは9月12日、中国、ロシアが主導する上海協力機構への加盟を申請したと発表しました。


上海協力機構 インド加盟申請 中ロ、欧米対抗狙う (9/13-2014 日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM1201M_S4A910C1FF2000/

インド外務省は12日、中国、ロシアが主導する上海協力機構(SCO)への加盟を正式に申請したと発表した。近く、加盟国と具体的な交渉を始める。中ロはインドを取り込むことで、地域安全保障などでのSCOの発言力を高め、欧米への対抗軸をつくることを狙っている。一方、インドは日米を含めた「全方位外交」を進めており、中ロとは思惑の違いもある。



日経は、インドは「全方位外交」をとっていると言っています。ほかの記事でも日経は「等距離外交」の見方をしていますが、果たしてどうでしょうか。

8月12日のイタル・タス通信(ロシアの国営通信社)によれば、ロシアはウクライナ制裁のなかでインドとの貿易関係の強化と多様化を計画しており、両国は実行可能な多数の長期プロジェクトを持っているといいます。

その中でも両国関係を強化すると思われるのが、ロシアからインドへのガス・パイプラインの建設です(アルタイ・ガス・パイプラインの拡張)。これは今活発な交渉が行われていますが、6月24日のイタル・タス通信からすると、7月のBRICSサミット(ブラジル)ですでに話し合われていたようです。

このパイプラインはロシアから中国を経由してインドへ建設されますが、中国経由が可能になったのは、今年5月のロシア-中国間の30年間のガス供給の契約で、中国とロシアの協力関係が格段に高まったことが下地にあります。

またトルクメニスタンの天然ガスを、アフガニスタンを横断してパキスタンとインドへ運ぶガス・パイプライン・プロジェクトの交渉でも、ロシアとインドは関与しており話し合いが行われているそうです。

国連によればインドの人口は2028年までに中国を抜き、世界1位の15億人となり、その後も増え続けると言います。インドにすれば国家の存亡に影響する、非常に魅力的なエネルギー・プロジェクトです。


He said that the two countries were engaged in active negotiations about extending the Altai gas pipeline from Russia through China to the Indian border, and about building a pipeline to carry Turkmen natural gas across Afghanistan to Pakistan and India, known as the Turkmenistan-Afghanistan-Pakistan-India (TAPI) gas pipeline project.

Russia, India to bolster trade ties amid Western sanctions (8/12-2014 イタル・タス通信)
http://en.itar-tass.com/russia/744704


「ロシアの欧州と西側諸国に対する相対的に経済的な優位が、石油・天然ガスの供給を第一の理由としてきたのと全く同じように、<アジアにおける戦略的統合はエネルギーによって左右されている>。」

これはロシアとユーラシアが専門のアンドリュー・クチンス氏(戦略国際問題研究所:CSIS)の見解ですが、「ロシアのアジアへの旋回」は中国に加えて核大国でもあるインドへも重心を移してきました。


    【2】 中ロ印によるアジア統合

中国という国は、世界戦略的な長期的ビジョンに基づいて、黙々とプロジェクトを推進させていく国です。反欧米的な国際秩序建設のリーダー的存在でした。
ところが、ウクライナ危機以降は、反欧米的な国際秩序の建設でプーチンの非常に精力的な行動が目立ってきています。

これについては、戦略国際問題研究所(CSIS)の「比較と関係」シリーズから「中国-ロシア関係」のレポートが9月15日に出ており、そこでまとめて述べられています。
この著者は東アジアが専門のユー・ビン氏で、6月の有料メルマガでも紹介しましたが、2013年1月のレポートで、早くから「ロシアのアジア・シフト」を指摘していた人です。

Comparative Connections v.16 n.2 - China-Russia (9/15-2014 戦略国際問題研究所 PDFファイル)
http://csis.org/publication/comparative-connections-v16-n2-china-russia

このレポートによると、5月以降からのウクライナ騒乱とは別に、中国とロシアの関係はこの4か月間で急速な動きで進んでおり、5月下旬の30年間のガス契約に署名する一方で、5月20-26日の東シナ海での中ロ共同軍事演習、上海ではアジア相互協力信頼醸成措置会議(CICA)が開催されました。

さらにロシアと中国は、500億ドル(自己資本)のBRICSの開発銀行と1000億ドルの準備基金の設立を中心になって進めてきました。この設立の発表は7月のBRICSサミットでした。これはIMFと世界銀行が資金不足で融資を受けられない途上国の、不満や苛立ちを吸収する狙いもあります(ユー・ビン氏)。

前述の8月12日のイタル・タス通信の記事の中で、ロシア科学アカデミーのインド研究センター所長のタチアナ・シャウミャーン氏はこう言っています。

「欧州と米国が経済的圧力をロシアにかけてくる時に、BRICSを構成するブラジル、ロシア、インド、中国などの国の集まりのなかで、ロシアが協力協働することは著しく重要である」

またウクライナ騒乱後のロシアにとってみると、上海協力機構(SCO)の存在も今まで以上に重要になってきています。この数年SCOの軍事演習の規模は縮小傾向にありましたが、8月24-29日の共同軍事演習は過去最大規模で行われました。

8月28日の『ディプロマット』誌によれば、ロシアのマスコミは最近、上海協力機構への関心のなかにロシアの復活・再起を見い出すようになっており、国営通信社RIAノーボスチの8月の論説では、上海協力機構のことを「新しく西側(欧米)に代わるもの」(“A New Alternative To The West”)と呼んでいるそうです。

Russia and the SCO Military Exercises (8/28-2014 ディプロマット)
http://thediplomat.com/2014/08/russia-and-the-sco-military-exercises/

前述のユー・ビン氏のCSISのレポートを読むと、プーチンは私たちが想像する以上にロシアの現在と今後の経済的基盤の構築に力を入れ、経済戦略をめぐらしていることがわかります。

プーチンが5月下旬に上海で習近平と首脳会談した際には、上海協力機構の議題のほかにユーラシアの統合、ロシア-中国-インドの三者間対話、「新シルクロード経済ベルト」の構想なども話し合われました。

二人はこのほかに、東アジア共同体の創設を視野に入れた「東アジアサミットやASEAN地域フォーラム、APEC,CICAなどの多国間フォーラムでも協力し合うだろう」とユー・ビン氏は述べています。

Other projects either jointly or singly managed by Moscow and Beijing – such as the Shanghai Cooperation Organization (SCO), Eurasian integration, Russian-China-Indian trilateral dialogue, New Silk Road Economic Belt – were also discussed. The two also would work together in other multilateral forums such as the East Asian Summit, ASEAN Regional Forum, APEC, and CICA.

日本も、当てにもならないような米国のオバマ政権にぶらさがり、円安による輸出成長モデルが壊れた「アワ(泡)ノミクス」などをいつまでも頼りにしていると、いつのまにか東アジアのなかで、中国とロシアの属国になりかねないと私は危惧しています。

下記にウィキペディアからSCOとCICAのリンクを張っておきました。加盟国を色分けした勢力分布図(地図)が掲載されているので参考にしてください。




    【3】 中ロ:同盟責任のない同盟パートナー

このほかにユー・ビン氏のレポートでは、プーチンが4月と7月に、中国との関係について「軍事的にも政治的にもいかなるタイプの同盟も築く計画はない」と発言していることを挙げ、これはプーチンが、「そのような同盟(という概念)は時代遅れになった」と考えているからだと説明しています。

これと同じ意味を表わすものとして、ロシア大統領府長官のセルゲイ・イワノフが7月に北京で発言した言葉をあげ、「多大な中国との協力にもかかわらず、ロシアと中国は<同盟責任のない同盟パートナー>である」と取材記者に答えたことをあげています(PDF8〜9ページ:下記に引用)。

これは軍事的・政治的な同盟責任がない同盟パートナーであることを示し、ある意味、状況次第では非常に柔軟で自由、かつ強力な同盟関係になります。

In a press interview in late April, Putin said that Russia and China had no plan whatsoever to build any type of military and political alliance. This was because such an alliance had become outdated. He reiterated this in his talk to Russian diplomats at the seventh conference of Russian ambassadors on July 1. Ten days later, Ivanov told reporters in Beijing that despite fruitful cooperation with China, “I do not see any significance for a new military alliance with China, and China, too, also does not see any significance,” and “Russia and China “are alliance partners without alliance responsibilities.”


      (了)

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ロシアの核兵器戦力の準備とウクライナ―NATOを背後に―

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ロシアの核ミサイル部隊(RVSN)の「RS-12Mトーポリ」(大陸間弾道ミサイル)


10月に入り、戦略上の要衝であるドネツクでは政府軍と親ロシア派の間で激しい砲撃戦などが起こり、「今後、戦闘が再び激化するのではないかという懸念が出ています」。

ウクライナ 停戦が事実上破綻 戦闘激化懸念 (10/03-2014 NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141003/k10015082121000.html

ウクライナ政府軍と親ロシア派武装勢力の戦闘は、米国とロシアの代理戦争です。
プーチンはこの先、どのように動くのでしょうか。

【◆◆以下の記事は有料メルマガ9月11日号に加筆・修正したものです】


    ロシアの核兵器戦力の準備とウクライナ

      ―NATOを背後に―

【目次】
【1】 核兵器戦力の準備
【2】「予防的核攻撃」



ウクライナ情勢を巡り、欧米諸国とロシアの対立が深刻化している問題で、ロシアのプーチン大統領は29日、「ロシアは核大国だ。関わり合いにならない方が良い」と述べ、欧米側を露骨に威嚇した。西部トベリ州で、ロシアの若者を集めた対話集会で語った。

・・・国営テレビが生中継した。欧米との対立を巡って「ロシアが大規模な紛争に突入することはない」と述べつつ、「核戦力をより小型で効率的かつ近代的なものに強化している」と語った。

ウクライナ情勢:露大統領「核大国」強調…欧米を威嚇 (8/30-2014 毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/news/20140830k0000e030237000c.html


この報道はNHKテレビでも流されましたが、核兵器の使用をちらつかせたプーチンの発言に驚かれた方も多います。
毎日新聞はこれを威嚇と書いていますが、これは単なる威嚇ではなく、プーチン・ロシアはウクライナの背後にいるNATOとの戦争を想定して、最悪の状況での手段として核兵器による攻撃の準備を進め、軍事演習を行っています。

今回の記事では、NATO・ウクライナとの戦争で使われる核兵器戦力が、プーチンとロシアによってどのような形で準備されつつあるのかを、シンクタンクとニュースの情報をもとにまとめてみました。


    【1】 核兵器戦力の準備

9月3日、ロシア国防省は「戦略核兵器を保有する部隊が今月9月に大軍事演習を行うであろう」と発表しました。兵士4000人以上が参加します(ロイター)。


The forces responsible for Russia's strategic nuclear arsenal will conduct major exercises this month involving more than 4,000 soldiers, the Defense Ministry said on Wednesday,

Russia's strategic nuclear forces to hold major exercise this month (9/03-2014 ロイター)
http://www.reuters.com/article/2014/09/03/us-ukraine-crisis-russia-exercises-idUSKBN0GY0IB20140903


一方、モスクワ・タイムズによれば、プーチンが「核」の力をちらつかせた8月29日の発言の10日前、ロシアの核ミサイル部隊(RVSN)の大幅増強の計画が、部隊の報道官ドミトリー・アンドレーエフによって発表されていました。このアンドレーエフ報道官の発表は幾つもの英文ニュース・メディアのほか、戦略国際問題研究所(CSIS)のHPでも取り上げられています。

RVSNはロシアの膨大な核ミサイルを持つミサイル部隊で、現在その現代化と再武装化が進められており、2020年までに8500個の部隊に拡大されるという大計画です。これには23兆ルーブル(6500億ドル)が投じられるといいます。

プーチンが「核戦力をより小型で効率的かつ近代的なものに強化している」(8月30日 毎日新聞)と言ったのは、主にこのRVSNのこの核ミサイル部隊のことであると思われます。

Google画像検索で「RVSN」と入れて検索してもらえれば、核ミサイル部隊「RVSN」などの写真画像が多く見られると思います。


The missile forces, like the navy and the army, is in the process of being overhauled through a 23 trillion ruble ($650 billion) military modernization and rearmament program through 2020. The RVSN itself will see 98 percent of its equipment — much of which is comprised of aging Soviet-era ICBMs — replaced with newer models.

Russian Army to Expand Nuclear Missile Forces (8/19-2014 モスクワ・タイムズ)
http://www.themoscowtimes.com/business/article/russia-to-expand-nuclear-missile-forces/505410.html


RVSNでは核ミサイルを車両に搭載していますが、ロシア軍は核ミサイルを搭載できる戦略爆撃機を使った大規模な軍事演習を2013年9月に実施しています。

この陸海空軍を動員した大規模な軍事演習は“Zapad-2013” (“West-2013”)と呼ばれ、ロシア西部軍の管区とベラルーシで行われました。(ベラルーシはロシアを中心とした集団安全保障条約に加盟していて、NATOには加盟していません)

この“Zapad-2013”の軍事演習についての様子と分析が、ジェームズタウン財団から報告書としてウェブ公開されています。


この報告書の結論の部分では、ロシア軍が2013年3月に核ミサイルを戦略爆撃機に搭載して、ストックホルム(スウェーデン首都)の複数の標的を攻撃するシュミレーション訓練を行ったという情報を挙げています(本文11ページ)。スウェーデンはロシアとの間に軍事協力関係があるので、この訓練にはショックを受けたと報告書は伝えています。

下記のリンクはこれについてのスウェーデン語の解説記事ですが、興味がある方は機械翻訳でも読むことができます。

Övade med kärnvapen mot svenska mål (1/12-2014 Expressen.se)
http://www.expressen.se/nyheter/ovade-med-karnvapen-mot-svenska-mal/

ジェームズタウン財団から出されたこの報告書は、2013年9月の大軍事演習が、プーチンがウクライナ侵攻を2013年の夏以前から計画し、ウクライナとの全面戦争まで想定して準備を進めていたことを、明確に示していると思います。


    【2】「予防的核攻撃」    

さて、ロシアの国家安全保障会議は9月2日、「ウクライナ情勢を含む新たな脅威を踏まえ、軍事ドクトリンを年内に修正する方針だと」明らかにしました(下記記事から)。


現行の軍事ドクトリンは2010年に決定されており、北大西洋条約機構(NATO)の拡大を脅威とするとともに、国家の存立が脅かされた場合の核兵器使用の権利を確認している。

ロシアが軍事ドクトリンを年内に修正、新たな脅威受け=通信 (9/03-2014 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/jpRussia/idJPKBN0GX1TQ20140902


ジェームズタウン財団のロジャー・マクダーモット氏(ロシアが専門)によると、いまロシアのマスコミでは、年内に改定される新しい軍事ドクトリンの条項に「予防的核攻撃」の文言が入るかどうかで騒がれているそうです。

「予防的核攻撃」というのは「核兵器による先制攻撃」のことにほかなりません。

マクダーモット氏によれば、新しい軍事ドクトリンの条項に「予防的核攻撃」の文言が入るというのはロシア国防省からのリーク記事であったそうです。その後、元参謀総長の Yury Baluyevskiy がこれを否定しましたが、これはロシア国防省が意図的に流したようだとマクダーモット氏は見ています。もちろん、ウクライナやNATOに対する「核」による一連の威嚇です。



【ジェームズタウン財団】先ほどの“Zapad-2013”の報告書もジェームズタウン財団から出ていますが、米国のこのシンクタンクは、東西冷戦時代からロシア(ソ連)と中国を専門領域としてきた歴史があるシンクタンクで、ロシアや中国について中身の濃い記事が多いと思います。


【編集後記】 今回は、プーチンが考えているNATOに対する核攻撃の方法などについても、資料をもとに書きたかったのですが、これらについてはまた稿を改めたいと思います。


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執筆予定 2019.8.20 記
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