[テスト] 中国、9月資金流出超過7年ぶり大きさ 投資マネー逃避か(日経)

中国、9月資金流出超過7年ぶり大きさ 投資マネー逃避か

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2434A0U3A021C2000000/

https://domoto-world.com/archives/chinas-september-capital-outflow-is-the-highest-in-7-years-investment-money-fleeing.html

【北京=川手伊織】中国から資金流出が加速し、9月は流出超過額が7年8カ月ぶりの規模となった。外資企業の事業縮小や富裕層の資産移転で投資マネーの逃避が進んだとの指摘がある。人民元の下押し圧力となり、政府も監視を強める。

中国国家外貨管理局は毎月、国内の銀行を通じて企業や家計が海外と取引した資金を集計している。モノ・サービスの貿易や、投資活動などが対象になる。外貨に両替したかどうかは関係なく、人民元でのやり取りも含む。

9月は539億ドル(約8兆円)の流出超過だった。「人民元ショック」などで資金が流出していた2016年1月(558億ドル)以来の規模を記録した。

項目別にみると、工場建設など直接投資に伴う流出が目立った。流出超過額は統計を遡れる10年以降で最大の262億ドルに達し、全体の5割を占めた。

この統計からは、資金を海外に移した主体が外資企業か中国企業かは分からない。中国企業が海外進出のため資金を持ち出し、流出額が膨らんだ可能性もある。

一方、製造業など工業分野の外国企業数は7月末時点で4万3348社。04年11月末以来の水準まで減った。その後も横ばいが続く。米国による対中投資規制の強化や、中国がスパイ行為の摘発対象を広げた反スパイ法の改正が背景にあるとみられる。

第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは「外資企業が中国からの撤退や事業縮小に伴って資産を償却・売却し、資金流出を加速させた可能性がある」と指摘する。

株式や債券など証券投資に伴う流出超過は146億ドル。「ゼロコロナ」政策が続いていた22年2月以降、流出超過の傾向にある。中国の景気回復がもたつくなか、対中投資をためらう海外投資家は少なくない。

香港経由で中国の債券を売買できる「債券通(ボンドコネクト)」などを利用した外国人の人民元建て債券の保有残高は9月末で3兆1949億元(約65兆円)で、ピークの22年1月末からは2割減った。

将来に不安を抱く中国人富裕層が、資産を外国に移しているとの指摘も多い。中国系金融機関の投資部門で働く男性は「今春くらいから資金を先進国の不動産市場などに逃がしたいという顧客ニーズは増えている」と語る。

投資マネーの流出に加え、輸出の停滞で人民元には下落圧力がかかる。国内銀行を介した為替両替をみると、7〜9月は人民元を売って外貨を買う動きが、その反対取引より386億ドル多かった。この差は5年ぶりの規模だ。

みずほリサーチ&テクノロジーズの月岡直樹主任エコノミストは「米中金利差により人民元の先安観が強い。企業などが輸出代金をすぐに人民元に替えず、外貨の保有を増やしている可能性が高い」と分析する。

上海外国為替市場で人民元の対ドル相場は1ドル=7.3元を下回り、年初に比べ約6%安くなった。習近平(シー・ジンピン)指導部も、外国為替市場の安定を重視する姿勢を示す。

米ブルームバーグ通信などは、習国家主席が24日、中国人民銀行(中央銀行)を訪問したと報じた。10年前の国家主席就任以来、初めての訪問という。何立峰(ハァ・リーファン)副首相ら政府高官も同行した。

訪問の理由は不明だが、北京の金融関係者は「習指導部が持続的な経済成長のために金融市場の安定を重視している表れだ」とみる。

人民元相場の安定へ資本流出の制限にも乗り出した。ロイター通信によると、中国証券監督管理委員会は中国の証券会社に対して、海外取引サービスで中国本土の新規顧客を受け入れることを禁止した。

本土の既存顧客による新規投資も厳しく監視する方向だ。証券会社は海外部門も含めて、10月末までに本土の顧客を勧誘するためのアプリやウェブサイトを閉鎖する必要があるという。

Author: DOMOTO

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