①ポスト原子力発電への選択肢―シェールガスにより世界のエネルギー事情が一変した―

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 目次

■ ① 世界のエネルギー事情を一変させるシェールガス

■ ② シェールガス鉱脈

■ ③ ガスタービンによる発電

「東日本大震災による電力供給不足が数年にわたり続く見通しが強まり、生産の空洞化や需要の海外流出が進むとの観測が浮上している。震災の影響が長期化するほど海外シフトの動きが強まるとみられ、日本の経済規模縮小への懸念が強まっている。」(4月6日 ロイター)

電力制約長期化で強まる空洞化と需要の流出

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20461720110406

福島第1原発などの事故を受け、専門家の間では電力不足は数年にわたり続くとの見通しがコンセンサスになりつつあり、震災が日本経済に与える影響について、「トヨタファイナンシャルサービスの平野英治・取締役副社長も『電力不足は、当座の混乱が収まった後に来る最大の供給ネックになる』と述べ、その影響は数年以上続くとしている」。

大震災によってこれまでの原子力政策への批判が高まる中、日本経済にとって死活問題である電力確保の問題は、どのようなエネルギー政策によって解決可能だろうか。電力確保の問題は、景気対策などの経済政策の根幹となる問題だ。

■ ① 世界のエネルギー事情を一変させるシェールガス

原子力大国であるアメリカのオバマ政権は3月30日に、新たなエネルギー安全保障政策を明らかにしたが、原子力利用については従来の路線を現時点では変更していない。

「次は原子力エネルギーしかない」と考えていた前ブッシュ政権は、原子力発電所建設への政府の支援に力を入れた。ブッシュ政権時に原子力発電所の工事がメリーランド州、サウスカロライナ州、テキサス州の3ヶ所で始まった。このうち政府が資金面でも大きく協力するテキサス州のものについては現在、工事が中断されている。このことについて米国のエネルギー省のスポークスマンが、

「オイルシェールの地下での天然ガス化が成功し、世界各地で安い天然ガスが供給されることになれば、原子力発電は先延ばしになるだろう」

と言っているという。(『いまアメリカで起きている本当のこと』 日高義樹著 2011年3月刊)

オイルシェール(油母頁岩)、シェールガスについては、この数年エネルギー分野で「シェールガス革命」が唱えられ、次世代エネルギーとして世界的に注目され期待がかかっている。

「オイルシェールとは、油母を多く含む岩石である。これらを化学処理して液状もしくはガス状炭化水素とすることができる」(Wikipedia)。「シェールガスとは、頁岩(けつがん)と呼ばれる固い岩の層に含まれる天然ガスを指す。以前から存在は知られていたが、採掘が難しくコストがかかるため、ほとんど利用されずにきた。だが、岩に小さな穴を開け、高い水圧をかけてガスを取り出す技術が確立されたことで生産量が急増している」(2010年10月18日 日経)。

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「オイルシェールが燃焼しガス化したものがシェールガスであるが、近年、世界の天然ガス事情が米国の商業化成功により大幅に変わった。米国エネルギー省が2004年発表時に2025年は消費量の28%が輸入と想定していたものを、最近、2030年時点で消費量の3%が輸入と見通しを変更した。

天然ガスの世界最大手のロシアもこれにより天然ガスの輸出量が大幅に減り、混乱している。現在、ロシアに依存していた欧州でもシェールガスの分布調査が行われており、エネルギー事情がさらに発展する可能性がある。世界の埋蔵量も未知数的に存在し、日本の各大商社も動きを激しくしている。」(2010年10月12日 SBIホールディングス)

http://sbif.jp/r/w.cgi?title=%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%AB

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「(新しい代替エネルギーとして)有望なエネルギーがある。天然ガスだ。掘削技術の発達で、米国内では岩盤に眠る大量の天然ガスが安く手に入るようになった。外交評議会のレビ氏は『天然ガスは国際的なエネルギー価格の影響も受けにくく、そもそも米国の原発建設が遅れた理由』と話す」。(4月7日 日経)

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天然ガスの国際価格の推移をチャートで見てみると、リーマンショックが起きた2008年以降原油と天然ガスの国際価格はしばらくは急落をみせたが、その後原油が世界の株価上昇とともに緩やかに上昇してきたのに対して、天然ガスの価格は上下動を繰り返しながらもほぼ変わっていない。

これは、この数年でシェールガスの掘削技術が急速に進んだことにより、世界中でのシェールガスの供給量が飛躍的に増大したためだ。下記のチャートでは赤線が天然ガス、青線が原油で、レインジを10年にしてもらえれば両者の比較が明確に現れる。

天然ガスと原油価格の推移の比較(チャート)

http://www.wikinvest.com/commodity/Natural_Gas#Natural_Gas_Prices_.28NG.29_.26_Crude_Oil_Prices_.28CL.29

<下記リンクへ続く>

「②ポスト原子力発電への選択肢―シェールガスにより世界のエネルギー事情が一変した―」

http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/34782937.html

DOMOTO

http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735

http://www.d5.dion.ne.jp/~y9260/hunsou.index.html