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http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/37787882.html





1-3月期の円安によって利益増の恩恵を得た輸出企業が、4-6月期~7-9月期にかけて、外貨建て値下げや販売促進を打ち出し、輸出数量がある程度伸び始める可能性はある。米国製造業ISMなどが好調さを維持していることからみても、3月以降は循環的な輸出数量の回復が始まる余地がある。このため、年央にかけて、更なる円安化や国際商品市場の高騰などが生じなければ、交易条件が一定の下、貿易収支は一時的に赤字幅を縮めると見込まれる(図表 18)。しかし、秋以降の貿易収支は、輸入数量の増加トレンドと交易条件の悪化トレンドの影響を受けて再び悪化し、2013年の貿易赤字(通関ベース)は10.4兆円(GDP比率-2.1%)と2012年の6.9 兆円赤字(同-1.4%)から大幅に拡大するものと予想される。



4. 経常収支への示唆 (8ページ)



以上のように、円安によって貿易収支は悪化する可能性が高い。経常収支が悪化を免れるには、円安によって対外資産からの利子・配当受取である所得収支黒字の円建て額がどれほど増加するか、が鍵となっている。しかし、1 月の国際収支統計では、季節調整済みの所得収支黒字は前月比-0.2%とむしろ減少していた(図表 19)。所得収支黒字の増加が限定的であれば、円安によって経常収支も悪化する。実際、通関統計の貿易収支実績を基に計算した場合、2月の経常収支(季調済)は114億円程度の赤字と、統計開始以来2度目の季調済赤字となる見通しである。



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日本経済分析 第37号 クレディ・スイス証券 2013年2月22日



円安で貿易赤字は拡大へ

https://plus.credit-suisse.com/researchplus/ravDocView?docid=EkCCzQ



(概略) (1ページ)



• 円安は交易条件を悪化させる可能性が高い。輸出品よりも輸入品の外貨建て比率が高いことなどから、輸入価格の方が輸出価格よりも名目為替レートに対する反応が大きいためである。このため、円安の貿易収支への影響については、最終的には、輸出数量がどれだけ刺激されるか、に依存する。



• 直感的には、円安は価格競争力の向上を経由して輸出数量を持ち上げるように思える。しかし、実質実効為替レートと輸出数量の関係をより詳しくみると、両者の関係は“飽和点を持つ非線形的なもの”である可能性が高いことがわかる。すなわち、円安(実質実効円安)による輸出数量の押し上げ効果は、円安の進展とともに逓減するものとみられる。



• 見逃してはならない事実は、2009~2012年の名目円高局面では、輸出価格の下落により、実質実効為替レートはさほど上昇しなかった(2005~06年と同水準に止まった)という点である。このため、足元の急激な円安を反映した実質実効為替レート水準は、既に、「円安の輸出数量押し上げ効果が明確に逓減し始める閾値」の近傍にまで低下してしまっている。このことは、円安によって見込まれる輸出数量押し上げ効果がかなり限定的なものになる可能性が高いことを強く示唆している。



• このように、足元の円安の輸出数量押し上げ効果は限定的なものになると考えられるが、このことは、円安が鉱工業生産や労働時間・雇用水準に与える効果も小さい可能性が高いことを意味する。円安が経済活動水準の上昇を経由してインフレ的な圧力をもたらすシナリオは描きにくい。



• 輸出数量の反応が限定的なものになるという経済構造を前提に、円安ショックが名目貿易収支に与えるインパクトをシミュレートすると、2013年1-3月期におけるドル円相場の10円上昇(83円→93円)は、2013年度の名目貿易収支(名目GDP)を約-1.31兆円(GDP比-0.27pp)悪化させる、と計算された。





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したがって、ここでも円安が一定以上に進むと輸出刺激効果が逓減してくると同時に、一定以上の実質円高となっても、その輸出阻害には下限がある可能性が示唆される。



(3) 日本製品の必需性と飽和



このように、実質為替と輸出数量との関係にはある程度の下限と上限があると示唆されるが、その背後にあるメカニズムは、製品差別化による日本製品の必需性と飽和であろう。例えば、日本製品が既に高いシェアを占めているある種の光学機器、電子部品やハイテク素材などについて、世界GDPなどの最終需要要因を一定として、単にドル建て価格が値下がりしただけで、その製品に対する需要が劇的に増えることは考え難い。すなわち、そもそも平均的な日本製品がある程度差別化1されていることを考えれば、その需要量と為替の関係には飽和点があり、ある一定以上に円安となっても海外からの需要がさほど増加しないということが考えられる。同様に、円高が一定以上に進んでも、最終製品の製造過程で技術的に差別化された日本の中間製品がどうしても必要であれば、短期的には、その輸出数量が劇的に減ることはないであろう。もちろん、全ての貿易財がこのように差別化に成功しているわけではなく、実質実効為替(つまり、外貨建て売値)に依存して製品シェアが大きく変動する財も少なくないだろう2。しかし、マクロの輸出量を見た場合には、円高と円安の両端において、上述のような必需性と飽和の傾向がある程度見て取れる。





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