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http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38157834.html

■ 結:尖閣問題と米国債のリンケージ

FRBを中央銀行にもつ米国は、景気回復が進むのならば困難な出口戦略を実施せねばならない。米国がQEを縮小・終了させる理由は、制御が困難なインフレを回避するためである。経済指標が確かに好転を見せ始めてきたら、できるだけ早くQEを終了させなければ、「出口」から脱出できずにインフレの波が押し寄せてくる。

FRBの金融政策については、また、稿を改めたいと思う。

日本の国の借金の残高は2013年6月末時点で1000兆円を突破したが、安倍政権はますます超巨大な債務爆弾を膨張させている。日銀の黒田総裁は8月30日の消費税増税についての意見を聴く「集中点検会合」で、増税を先送りすれば国債が暴落し、その場合には政府も日銀も対応できないと述べたそうだ。これに関連した取材を行った朝日新聞によると、黒田総裁は日銀スタッフにこう語ったそうである。

「いったん国債の信認がなくなれば、いまやっている日銀の買い入れは意味がなくなる。そうなれば2%の物価上昇目標の達成もデフレ脱却もできない」

「黒田日銀の半年:1 トラウマ、国債急落 異例の増税要請」 (9月25日 朝日)

http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201309240571.html

黒田総裁は9月、日銀の出口戦略の展望はときかれて「まだ示す段階ではない」と答えたそうだ。

黒田総裁も、安倍首相も、自民党も、出口戦略など持ってはいない。ドイツ連銀のバイトマン総裁やメルケル首相などからは、日本と日銀には出口戦略の当てなどなく、その金融・経済政策は「片道切符の刹那主義」でしかないことをしっかりと見抜かれているはずだ。

いま、尖閣問題で中国は海上から日本の実効支配に揺さぶりをかけている。

オバマ政権は2期目では最初から「50%政権」と言われるほど指導力を欠いたものであり、政策能力も高い方ではない。

中国は兵法の発達した国だ。戦いにおいて最善の策は戦争を避け、「調略」で領土を拡大させることである。

米国債の問題での米国との駆け引きで、中国が尖閣問題と米国債をリンケージさせてくることは当然想定しておくべきだろう。

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