.
【◆◆以下は有料メルマガ3月12日号の一部です】


    【3 間近に迫るサウジとパキスタンの核兵器協力

 
さて、2014年の有料メルマガ1225日号では、戦略国際問題研究所(CSIS)の11月の公開論文の中から、サウジなど湾岸アラブ諸国が米国の中東政策に対して、非常な不満、懐疑心、時に危険といった感情を持っているということを取り上げました。
 
サウジは国内秩序動乱の入り口にいる―シェール革命の影響と米国の中東政策―
 
この感情は、とくに米国のイラン政策に対して強烈に向けられています。1月下旬に王位に就いたサルマン新国王は、当初、亡きアブドラ国王の外交政策をそのまま引き継ぎ、サウジの外交政策に大きな変更はないと米国の専門家の間ですら言われていました。
 
しかし、2月に入り早くもサウジがイランの核の脅威に対して対抗措置をとるという観測が米国やイスラエルの専門家たちから出てきています。
 
外交問題評議会のリチャード•ハース会長は、サルマン国王79歳、ムクリン皇太子69歳という老齢体制では大したことはできないとフィナンシャル・タイムズで言っていましたが、サルマン国王はすでに注目すべき行動に出ています。
 
Saudi Arabia: Threat from Isis will onlygrow 1/25-2015 フィナンシャル・タイムズ)
 
まず、ワシントン中東政策研究所のサイモン・ヘンダーソン氏の記事によれば、2月3日にパキスタン軍統合参謀本部のラシッド・マフムード議長はサルマン新国王と会談しています。これはアブドラ前国王が亡くなった11日後です。
 
Nuclear Nuances of Saudi-Pakistan Meeting 2/03-2015 ワシントン中東政策研究所)
 
また、パキスタンのナワズ・シャリフ首相は3日間の日程でリヤドを訪れ、3月4日にサルマン国王と会談しています。
 
元CIAのアナリストで現在ブルッキングス研究所のブルース・リーデル氏は、この会談の2日前の記事と3月8日の記事で、イランの核交渉が「悪い取引き」か交渉が決裂した場合には、パキスタンが核兵器をも含めたサウジへの軍事的関与をとるだろうというイスラマバードの観測を取り上げています。
 
The speculation in Islamabad is the Kingwants assurances from Sharif now that, if the Iran negotiations produce eithera bad deal or no deal, Pakistan will live up to its longstanding commitment toSaudi security.
 
As Bibi addresses Congress, the Saudis playa more subtle game on Iran 3/02-2015 アル・モニター)
 
サウジの核武装にはパキスタンが関わっていることは有料メルマガ1127日号でもお伝えしました。
 
サウジの核武装と米シェール潰し 11/27-2014 拙稿
 
パキスタンの核兵器保有は世界で最も速く成し遂げられましたが、サウジは1970年代からその開発費用を援助し続けています。
また、サルマン国王は1年前に皇太子としてイスラマバードを訪れた際、サウジとパキスタンの戦略的協定を再確認するとして、シャリフ首相に15億ドルを供与しています。(下記記事より-ブルース・リーデル氏)
 
Saudi Arabia prepares for Iran nuclear deal3/08-2015 アル・モニター)
 
リーデル氏は「リヤドにとって最も決定的な同盟国はパキスタンだ」と言っています。
そして、「サウジはオバマをまだ見限ってはいない」とも言います。
 
米国のケリー国務長官は3月5日にサルマン国王と会談しています。
米国はもちろん、サウジとパキスタンの核兵器での協力の可能性に、非常に危機感を持っています。
リーデル氏は「ワシントンはこの問題が重大過ぎて、会話によって神経を刺激させることができない」と、この米サウジ会談後の記事で言っています。
 
サルマン国王は、シャリフ首相から今月の3月の終りまでに核兵器による協力の確約をほしいようですが、この3月末はイランとの核交渉の枠組み合意の期限にあたります。
 
リーデル氏は最後に、「サウジはより巧妙な方法を好む」と言っていますが、サウジの思うように米国をうまく動かして、イランを封じ込めることなどできるのでしょうか。

    
      (了)


   【◆◆応援クリックお願いします。】
           ↓
     
人気ブログ国際政治・外交へ